Killing Me Softly
表題曲はもちろん、2曲目の、静かに、熱く歌い上げる感動は、
何ものにも変えられないものがあります。
このアルバムを聴いていると、
真夜中に大海原を大きな船で漂っているような、不思議な感覚におちいります。
ああ、これがクワイエット・ストームなのか、と身体で感じてしまう一枚。
今の季節なら、ベランダでお酒でも飲みながら聴きたいですね。
Mmxii
ポストパンク・インダストリアルの先駆者の2012年の最新作。
前作「宣戦布告」より短いスパンでのリリースとなったが、
今作は往年の攻撃なグルーヴ路線より、
「ナイトタイム」〜「憤怒」あたりのニューウェーブ色が強く出ている。
前作も後半につれ、ニューウェーブ色が強くなっていったが、
今作はアルバム一枚ごと一色にそまっている。
あのドラムが引っ込んで、ギターの轟音が支配するジョーク特有のサウンドも、今作ではギターの音量は控えめで一昔前のサウンドに戻った様に感じた。
二枚目のセルフタイトルや、「ホザンナフロムヘル」あたりの暴力的な感じが好きな自分には少し物足りない感じもしたが、楽曲のバラエティーは多彩なので飽きる事無く聴き通せます。
ちなみに歌詞カードに、Youtube等の動画サイトのURLが記載されており、
アクセスすると歌詞の元になった事件などの動画が見られます。
コールマンの反米、反グローバリズムはまだまだ揺らいでいません。
なので歌詞の意味を深く理解するうえでも対訳付きの国内盤が発売されない事が残念です。
A Killing Frost
翻訳が待ちきれず、「hard Frost」「Winter Frost」を読みました。意味不明なスラング、出典の定かでないイディオムなど多々ありましたが、それでも充分面白く、デントン署の雰囲気も伝わってきました。そして、昨年惜しくも亡くなってしまった為に、遺作となった本作「A killing Frost」。最近の日本にも似た陰惨な事件の連発もさることながら、今までにもましてハードな状況に置かれたフロストの絶体絶命のピンチ・・・。