SAYONARA
メロディも歌詞もとてもあたたかく、素敵なバラード。大ヒットした「花」には特に何も感じませんでしたが、今回の曲はとてもいいです、素直に感動しました。皆さんいろいろ意見はあるかと思いますが、今後オレンジレンジの方たちには、自分たちの好きな音楽を、好きなようにやっていってほしいと思います。まっすぐに。
Sayonara, Gangsters
もし貴方がこの本をまだ読んでいないならば、損と言うほか無い。
本書は日本文学の金字塔であるのみならず、
未だ類書が(当人の著作を除いて)現れない作品なのだから。
断章化された詩からなる構成、言葉の響き、そして面白さ。
当然と言うべきか、翻訳版の評判も良いようなので、
これを機に『ジョン・レノン対火星人』も翻訳されることを望む。
さよならピアノソナタ―encore pieces (電撃文庫)
読み終わってしまうのが寂しい、という気持ちを、まさかシリーズで二度も味わわされるとは思っていませんでした!
完結から一年、出るわけないだろうと思っていたタイミングで発売された短編集です。アニメ化されたような人気シリーズならば、完結後に読者サービス的な意味合いの短編集が出るのが常道なのですが、この"encore pieces"はそういった軽い位置づけのものではありません。読んでいただければわかるでしょう、「さよならピアノソナタ」シリーズの正統な完結編であり、また、断言してしまいますが作者の最高傑作です。
それにしても、短編集に帯する「珠玉の」という常套句がこれほどまでにふさわしい一冊はないのではないでしょうか。ナオ、真冬、千晶、ユーリ、神楽坂先輩、過去から未来に至るまで読者が読みたいと切に願っていた様々なエピソードを絶妙な切り取り方で見せる手腕には感嘆してしまいます。特にすごいのが第二話「翼に名前がないなら」です。千晶の話に相当する一編なのですが、なんとここにきて新キャラ登場で主人公を任せ、外側からフェケテリコを描くという手を使ってくるのです。ナオを一度も登場させないまま存在感を高める見事な描き方です。
また、短編の並べ方も秀逸です。作者はあとがきで茶化していますが、だんだんと過去に遡っていくこの構成はおそらく狙って書いたものでしょう。最も重たく哀しい神楽坂先輩の過去エピソードの後に、わずか十数ページの哲朗の掌編が置かれて、このシリーズは正真正銘の完結を迎えます。他のどんな並べ方をしても、ここまで胸に残る読後感は醸し出せなかったのではないかと思います。
正直なところ、この巻は「さよならピアノソナタ5」とナンバリングしてもまったく違和感のない一冊です。蛇足な短編集であることを警戒して四巻でやめている読者もいるのではないでしょうか。しかし読めば読むほど、「アンコール曲集」というタイトルはこの一冊にぴったりで、悩ましいところです。
繰り返しますが、この一冊で本当に完結です。ぜひ読むことをおすすめします。