Nightfly
82年発表の1st。スティーリー・ダンは80年の『ガウチョ』を発表後、活動を停止。その後に発表されたフェイゲンのソロ・アルバムが本作である。50年代後半から60年代の初め頃にアメリカ北東部に育った若者が抱いていたはずの夢・・・をテーマにしたコンセプト作となっており、ジャケットやアルバムの雰囲気は何となく深夜放送のラジオを感じさせる。非常に滑らかでメロウな仕上がりである。一般にスティリー・ダンの延長線上の作品として捉えられがちであり、参加メンバーもラリー・カールトンら後期のそれそのものの豪華メンバーが大挙参加しているが、ややマンネリ気味のグループとは一味違い、AOR的なサウンドの中にもフレッシュさすら感じさせ、何よりも楽曲が更に良くなっている。ソウルやジャズ/フュージョンを昇華したあのサウンドはもちろん健在だ。
皮肉とも幻想とも捕えられる「素晴しい世界がやってくる」と歌われる1.のソウル/フュージョン色全開のレゲエ・ナンバーは後期スティリー・ダンを更に昇華させたような極限のマイルドさを持った名曲。この一曲だけでこの作品のクオリティの尋常のなさが分かると思う。ドリフターズの3.を含めた全曲が極限の仕上がりである。
何にしても間違いなく82年のベスト・アルバム。個人的にもスティリー・ダン関係のアルバムの中でも高い頻度で聞く愛聴盤であり、『エイジャ』、『ガウチョ』、本作なら間違いなく本作を押す。この心地よさはちょっと異常。
大人のロック!名盤ガイド (日経BPムック)
他の方も書いていますが、再発するCDシリーズの解説本です。いつもの雑誌の大人のロックとは違うのでお間違えなく!それでもそれなりに偏りなく解説されているので、これはこれで1冊あっても良いと思います。良書だと思います。
Melodies-The Best of AOR-
取りあえず買っておきましょう、AOR好きなら。ヴェイパー・トレイルズだけでも十分に価値アリ。
あの“小林克也”氏「Best Hit U.S.A」のオープニング曲と聞いて、ギターリフが懐かしく甦ってしまう人は、30代後半以降?
1980年前後の5~6年間にリリースされた「心地の良い音楽」は、全て「A.O.R」(勝手に断定)なので、
本作の収録曲は、結果的に「AOR」となる訳です。
この2枚組、ヒット作にこだわった絶妙の選曲で、数あるAORコンピ品の中では、秀逸だと思います。
この作品で、AORへの造詣を深めた方は、是非、各アーティストのオリジナル盤へ進んで下さい!
どのアーティストも完成度の高い作品を残してます。みんなで楽しみましょう、80'sのAOR!
アメリカ音楽産業の最盛期は、75年~85年の10年間だそうです。(特に、80年~85年は凄かったらしい)
その頃の音楽が、未だに商売になっているのも当然なんですね。
サンケン・コンドズ
スタックスの王様、アイザック・ヘイズのカヴァー(6)以外は、オリジナルです。総じて、90年代前半にブームとなった、ソウルジャズのテイスト。盟友にして稀代の精巧エンジニア、ロジャー・ニコルズを失ってしまったドナルドは、本作で、レトロチックなサウンド・メイクを施した。タイコの音がベッタンベッタンで、よくないとの批判が渦巻いているようだが、今までの神経質なサウンドで、ソウルジャズ聴くと疲れますよ★大事なのは、音の優しさです。これこそが、ドナルドの独特の歌唱を引き立てていると思います。だいいち、ロジャー・ニコルズの後継者なんて、そう簡単にいませんよ。私はすごく気に入りました。
Morph the Cat
もしDVD AUDIOのマルチチャンネルが再生出来る環境が整っているならば、CDよりもこちらをお勧めします。CDとDVD AUDIO DISKが入っています。画像は無いに等しい(曲名のみ)ですが、96khz 24bidの5チャンネルを聞くと、Fagen氏のボーカルはセンター、コーラスとホーンセクションはリアに収録されていて、曲によってはギターがリアのサラウンドに録音されています。音に囲まれて、明らかにCDよりもレンジが広く音が滑らかです。ただのDVD PLAYER(DVD AUDIOに対応していない)ではDOLBLYとDTSで収録されているトラックしか再生出来ないので、やはりDVD AUDIOのマルチが再生出来る場合のみ大推薦出来ます。