Silver Streak [VHS] [Import]
小学4〜5年のころ友人と映画館で観て、おもしろくてずっと印象に残っています。
同時上映作品扱いでしたが、メインがなんだったか忘れてしまったぐらいです。
当時、電車で出かけることはほとんどなく、連結近くの左右扉は運転中も手動で開けられるものでした。
長距離列車での旅という憧れもあったでしょうし、想定外のアクシデントもひとつひとつが新鮮で
声出して笑って観ていた記憶があります。周りの人も。
一回だけTVで放送しているのをかいつまんで観たことがありますが、
DVDが登場したころから本作品の商品化を待ち望んでしました。
あまり話題に上がってこない作品ですが、おもしろいですよ。
今回、廉価版を見つけやっと手に入れました。ケースがすごく薄くて柔らかいのにはびっくりでした。
Silver Streak [VHS] [Import]
LAからシカゴへ向かう列車に乗り込んだ出版社勤務の男が巻き込まれる
犯罪事件・・・といえばヒッチみたいだが、本作はその「品のあるハチャメチャさ」
に於いて、ある意味ヒッチの世界観を超えている作品だ。
J・ワイルダーにR・プライヤーだから、ハナからヘンになるのは判るのだが(笑)、
何と言っても主人公のジョージを演じたJ・ワイルダーの飄々とした感じが楽しい。
普通、このテの映画は密室の列車内でハラハラドキドキの場面が続くのだが、
なぜかこの主人公は何回も列車を降りる(笑)。正しくは付き落とされる。
その度に地元のおばあちゃんや泥棒に助けられて、また列車に乗り込むのだが、
そんなバカな的発想が最高だ。
特にR・プライヤーとの黒人芝居などはもう至高の芸と呼んでもいいくらいだ。
近年はバカバカしさ一本の作品も多いが、本作の気品はもう「格」が違う。
この差はどこから来ているのか。
個人的にはH・マンシーニの奏でる優雅なスコアと、A・ヒラーの堅実な演出力が
大きいと思う。J・ウィリアムズがスコアを書いて、M・スコセッシが撮るコメディ
が実現すれば、こういう感じになるかもしれない。
ラストのシカゴ駅列車暴走シーンは「スピード」でもパクられていた名場面だが、
これはカルヴァーシティの特設スタジオでVFX無しで作られたものだ。
1970年代はハリウッド110年の歴史でも最も悲惨な10年だったが、
こういう作品が生み出せるのは、やはりハリウッドの底力だろう。
DVDながら綺麗な画質も評価して、星は4つです。