汽車には誰も乗っていない
聞いていてなんだかすごく懐かしい感じになる曲たちでした。
特に「電車かもしれない」!あの何とも言えないメロディ耳から離れません。
曲数に対して値段がちょっとばかりか高い気もしますが、それだけの値打ちがこのCDにはあります!すごくお勧めの一枚です。
Fellows! 2008-OCTOBER volume 1 (BEAM COMIX)
エンターブレインから新たに刊行されたコミック誌フェローズです。
コミック誌といっても扱いは書籍ですが。
読み終わってまず感じたのは、つくりの粗い作品がかなりある印象でした。新人が多く起用されているということで致し方無い面があったことは理解できるのですが、納得できるかどうかは別物ですからね。
個人の主観なので参考になるかわかりませんが、全体的には今後期待できる作品とそうでないものの差が顕著だったように思います。
僕は森薫の前作エマにかなり入れ込んでいたことがあって今回の新連載をリアルタイムに追うつもりで本誌を購入したのですが、どうも森薫の作品以外で気になるものが2、3しか無かったのが惜しいです。
隔月誌という性質上、掲載される作品の単行本もその分刊行が遅いはずなので、とにかく森薫の新連載のために引き続き購入するつもりですが。
せっかく創刊の時分に立ち会えたので、皆さんもぜひ一度実際に手に取って値段と内容を天秤にかけてみてください。
はこにわ虫
近藤さんの絵はモノクロが良く似合います。漫画を読んでモノクロ感を意識することってあまりないような…。いつも自分のすぐ側にあるのに気付かないで通り過ぎてしまいそうな空想の糸口を巧みに捉えたお話。毎日の生活の中で考えてしまうよからぬ妄想や、見間違いのような空想が、自分の中で反芻して楽しんでいるうちに、ついに現実にくい込んでくる…、そんな殊玉のストーリー。しかもその絵のうまさは、ヒトコマ、ヒトコマやられます。指先まで綺麗に描かれた手はまるで仏像みたい。大好きです。
うさぎのヨシオ (ビームコミックス)
動物モノやちょっと変わった表紙にすぐに飛びつくタチで、この本も表紙買いした1冊です。
中を読んで、いい意味で裏切られました。
説明するのがとっても難しくて、まず読んでみて!という感じです。
近藤さんの作品がお好きな方は、こちらも裏切られませんのでぜひ。
主人公のヨシオくんはうさぎです。バイト先の店長はカメです。
でも同じアルバイトのミカちゃんはふつうのおんなのこです。
そんな、まずちょっと首を傾げたくなる世界が広がって、次第にそれが当たり前になっていく。
とてもとても不思議で、けれど私たちのごくごく身近な空気を持っています。
ほのぼのしていて、じーんとくる。
時折混ざる毒さえもが心に染みる。
……そんなお話です。
季刊 真夜中 No.6 2009 Early Autumn 特集:誰も知らない恋
今回の特集は「誰も知らない恋」。
特に良かったのは、ビジュアル 恋の名作劇場として、山本直樹の絵とボリス・ヴィアン『うたかたの日々』、夏目漱石『それから』などをコラージュしたもの。
ボリス・ヴィアンの小説は山本直樹の絵によく合うような気がする。
それ以外でよかったのは、よしもとばななの恋の苦しみというブックガイド。
取り上げられたのは、森博嗣。彼女と森博嗣が仲がいいのは知っていたが、ここまでの絶賛とは。森博嗣のファンとしてはうれしいところだけど。
高山なおみの新連載もいい。彼女の文章ってどこか暗さというか翳がある。料理のエッセイとはまた違った雰囲気だ。