クリムゾンの迷宮 (角川ホラー文庫)
自分はゲームブックというのは読んだことがないのだけれど、そんなの関係なくおもしろかった。食料調達の仕方なんかすごいリアルだし、途中からのホラー要素や緊迫感なんかは読んでいてたまらない。後半はもう本当のリアル鬼ごっこ状態。いや、おもしろいわ。
スーパードンキーコング2 ディクシー&ディディー―クレムリン島が102パーセントわかっちゃう本 (ファミ通Bros.攻略本シリーズ)
ファミコン時代ならともかく、スーパーファミコン・あるいはプレイステーション以降の攻略本では、詳細なデータを載せながら、データに沿ったオーソドックスな攻略法を掲載している本が多い。しかしこの本は、そうした「データ集としての攻略本」とは一線を画する。データ面で言えば、隠しアイテムの場所が一切掲載されていないなど、この作品を取り扱った他の攻略本には一歩譲る。しかし、ステージの「攻略」における発想は、当時発売されていたこの作品のどの攻略本にも書かれていない斬新なものが多い。攻撃の思わぬ当たり判定、アイテムのあっと驚く使い道といった、基本的なセオリーを大きく無視したユニークなものが多々見られ、如何に本書を制作したスタッフが楽しみながらこの本を制作していたかがよくわかる。データではなく発想によってアドバイスを書くという観点は、多くの攻略本が参考にすべきところではないだろうか。
クレムリン(5) (モーニング KC)
雨に濡れた6月のダンボールのようなせつない表紙です。
でも中身はもっとダンボール。
白ヘビとかアルパカとか白米とか、やたら白い感じの登場人物が多いです。パンストもずっと白でした。
トーンを買うお金がなかったのでしょうか。
いろいろ大変だったんだと思います。
作風が揺れ動いており、所々で初期のユルさがありません。
下ネタの乱発など、らしからぬベタさが散見されます。
堂々たる敗者の余裕がありません。
倒産寸前の会社のような生々しい焦りを感じます。
でもそれが面白いのです。
怪我の功名的に内容の濃い多様な作品になっていると思います。
ギャグの幅が広い。
『いろんな人に受け入れられたい』という必死さが感じられます。※上手くいったかどうかは別として
91ページに死なない太宰治が出てきますがまさにクレムリンそのものですね。本当にダメしぶといです。
これからもダメカッコイイ作品を作り続けてくださいね。
ところで71ページの牡蠣にあたった女性は作者の自画像なんでしょうか?すごく気になります。
自画像だったらいいな。
クレムリン(1) (モーニングKC)
一読した後には「・・・アレ?」と思ったこの作品。
もしあなたもそう思っても、ため息と共にブックオフに持っていく前に、もう一度読んでみて下さい。さらにもう一度。そしてもう一度。
そうすれば、あなたはもう、この猫達を追い出すことはできないでしょう。
あまりにシュールなこの漫画は、一読するだけでは面白みが伝わらないかもしれませんが、何回も繰り返して読むと不思議な愛着が湧きます。
KREMLINMAN
前作までにない往年のエレキギターのリフが心地よい楽曲が収められた
『KANのロックアルバム』…しかし、ちゃんとKANさんらしいピアノ曲
M2やM5、上質なPOPSのM4,M7などもありますのでファンの皆さんも安心。
アルバム全曲さらりと聴くとシンプルな楽曲たちなのですが、じっくり聴けば
メロディーやアレンジ、曲構成などの作り込みに『タイガーソングライターKAN』の
類い稀な音楽的センスの良さを感じる。
(例えば、M1からM3「ロック〜ピアノ弾き語り〜ロック」を継ぎ目なく
しかも歌詞世界を一気に飛び越えて聴かせる職人技には拍手!)
さらに様々なアーティストへのリスペクトっぷり(?)も楽しめます。
M5は『まるでスティービー・ワンダー』なハモニカのメロ(個人的には弾き語りver.の方が好きです)
M6は『まるでボン・ジョビ』なコーラス&リフ(ってコピーのカセットのCMが昔あったなぁ)
M8は『こりゃマッキー』…これは全て!(先に歌詞を見ないように。最後に、してやられます)
この流れは
アルバム「遥かなる…」の『JなBOYのあの方』を経て「カンチガイ…」では『パ○ューム』に到達(笑)
こういう音楽的な遊びを本気でやっている「無邪気なKANさん」と
もちろん、正統派POPSやバラードも「きっちりオリジナルなKANさん」。
そのどちらも見事に収める絶妙なバランス感覚をもってらっしゃる。
そんな屈指のソングライターっぷりを痛感させられるアルバムです。