サウスポー論
杉内俊哉と和田毅。ホークスを支えてきた2人の左腕の対談と、それぞれの独白で構成した本。ライバルとして、チームメートとして意識し、相互に高いレベルの刺激を受けて成長し、共にプロ100勝を達成したサウスポーである。
性格はずいぶん異なるようだ。少なくとも2人はそう思っている。杉内は徹底的に感情を高めて試合に挑む。ブルペンでは10球くらいしか投げない。叱咤されるのは好まない。何度か日記に挑戦したが、読み返すと感情が混乱して役に立たないので止めたという。一方、マイナス思考でいつも最悪のことを考えるという和田は、なかなかの論理派。チェンジアップは杉内からアドバイスをもらってレベルアップしたという。試合の流れを考え、終盤では継投後の展開についても頭に入れながら投球を組み立てる。枕をオーダーメードで作ってから良質の睡眠を得られるようになって、遠征時も自分の枕を持ってゆく。
共通しているところも結構多くある。結局投手である自分が抑えるしかないんだと思っているから、ある意味で自我が強い。野手がマウンドに近づいて声をかけても、何を言われているのかあまり覚えていなくて効果が薄いらしい。自己管理もしっかりしているし、さらによくなりたいという気持ちや、現役指向も強い。
スライダーが曲がりにくくなり、ツーシームやカットボールなどは切れが良いという、前季から採用された統一球について見解を述べているところもある。9回裏2アウト満塁でイチローを迎えたらどうやって打ち取るかを2人で考えているところもある。
和田は今季からMLBのボルチモア・オリオールズにFA移籍した。本書でも、王会長の現役時代と勝負したいと述べているように、一流の相手との対決を望む気持ちを強く持っており、メジャー志向についても隠さずに話している。杉内の方は、自分は環境が変わると慣れるまで2年くらいかかるから日本を離れる気は無いと断言している。これから2人は海を隔てて別のチームでプレーすることになったが、今後の活躍を期待したい。
2006 WORLD BASEBALL CLASSIC 日本代表 栄光への軌跡 [DVD]
良いものはやはり良いでしょう・・観戦スポーツでも一生残したいモノってそんなには出会えないんじゃないですか。その一つが絶対これですよ。感激と感動と・・王監督も素晴らしかった、イチローも松坂もその他の参加選手みんなみんな素晴らしかった。いつまでも語り継がれるであろうこの偉業をリアルタイムで体感できたこと本当にシアワセでした。その雄姿を2006年春の記憶として残しておきたい、語り継ぎたい・・。そしていつでも会いたいときにまぶしかった彼らに雄姿に出会いたい・・・。