トランシルヴァニアの夕べ~珠玖加奈子フルート・コレクション~
殊玖加奈子さんのホームページに掲載されている、若いころからのフルートとの奮戦記やハンガリーでの人との出会いなどの話を読んでから聴くと、演奏者の人生や現在の心境がしみじみと心に沁みてきました。心が癒される1枚です。
百恵・アクトレス伝説
以前何枚かは百恵のオリジナルサウンドトラックを持っていました。もちろんLPでです。今回「赤い疑惑」の紙ジャケを購入して他のオリジナルサウンドトラックも購入したく探してみるとBOXセットのみ、僕は百恵の初期の作品が欲しかったのですが、そしてBOXは少し高価すぎます。ただ初期の2,3枚が欲しかっただけですのでそのうちお金が貯まったらDVDのBOXセットを購入しようと思います。それまでの間はこのCDで我慢します。そしてとても安く買えたので。ちなみに「潮騒」のテーマソング「少年の海」、ナレーション入りのをオリジナルアルバム「16才のテーマ」で聞いていましたがあまり好きではありませんでした。でもこのオリジナルサウンドトラックでSEつきで聞くと不思議に素敵な曲に聞こえます。
中古品はまだかなり安く販売してるので試しに購入してみてはいかがでしょうか?ちょっとした喜びです!
蔵の中・子を貸し屋―他三篇 (岩波文庫)
蔵の中、一と踊、屋根裏の法学士、晴れたり君よ、子を貸し屋、の五作品.ちょっと古い漢字があったりして読みにくかったりするが、読めないということはない。内容としては有名な表題作「蔵の中」「子を貸し屋」は奇妙であるながらも納得。「枯木のある風景」が入っていないのが残念ではあるが、宇野浩二の一面を低価格で読めるのでお勧めです。あとがきを宇野浩二自身が書いていたりする。
幻の名盤解放箱
自ら意識して音楽を聴き始めたのはパンク以降の洋楽でしたので、まさか今ごろになって当時誰も見向きもしなかった古〜い歌謡曲にここまで打ちのめされるとは思わなかったです!とにかく完全に時代を超越していると思いました。次ぎから次ぎへと繰り出される楽曲群は、間違いなく当時は一応売れる事を前提に作られていたはずで、それがまったく売れずにそして誰の耳にも届かず市場から消えて行ったことにより、今となってはまるで時代錯誤な、否、時代性のない新曲として聴けるという楽しみがあろうかと思います。それにしても、この手のレコードを闇雲に買い漁り、そして独特の感性・指向性により厳選する幻の名盤解放同盟による楽曲群はどれも完成度が高く非常に普遍的な響きを放つのです!まず、今の時代では作り得ない音楽を聴きたい方にはマストであります!
思い川・枯木のある風景・蔵の中 (講談社文芸文庫)
宇野浩二は「小説の鬼」とまでいわれた作家であるが、
その饒舌体といわれる独特の文体はやさしく語りかける
ようである。
宇野は実際のモデルのある小説というか、他人の逸話を
小説に仕立てる技術において天才である。
ここにある「思ひ川」には直木三十五、芥川龍之介、宇野
本人が描かれている。直木をモデルにしたと思われる仲木
が借金取りを撃退する場面は実は宇野の友人である広津和
郎が実際に直木三十五の家で見た様子である。
「枯木のある風景」は鍋井克之と小出楢重という二人の洋
画家がモデルであり、「蔵の中」は近松秋江がモデルであ
る。
しかしながらモデルのあるなしは宇野の小説にとっての本
質ではなく、やはりその表現力の豊かさと人の心に機微が
どう描かれているかである。