ワルキューレの騎行(地獄の黙示録)~映画のなかのクラシック
「ワルキューレの騎行」を聴きたくて購入しました。
ワーグナー好きなんですが、お店にあんまり置いてないんですよ。癒しクラシック全盛のせいでしょうか?
どれも耳慣れたクラシックだけあって、じっくり浸るにふさわしい!
作曲者が自分の気持ちを前面に出てて、わかり易いのです。
これを聴きながら作業をすると、地の底から何かが湧いてきて元気が出るのですが…私だけ?
岩山を登っていくイメージをお探しの方はどうぞ(^o^)丿
ルキノ・ビスコンティ/タッジオを求めて [VHS]
「ベニスに死す」のDVD特典映像でも、少しだけオフのアンドレセンを見ることは出来ますが、このドキュメンタリーでの彼こそ、まだヴィスコンティに操られる前の素顔の彼と言えるでしょう。
少し恥ずかしそうにカメラに向ける笑顔は、映画で彼がタジオとして見せたそれとは全く違い、とても可愛らしいのです。しかし、その歩きひとつみても、自然と優雅さは備えていたようにも見えました。
しかし、ヴィスコンティはタジオ探しに各国の小学校に赴き、そこで生徒の前で直に品定めをするのですから、もうびっくりしました。イタリアのシーンで、実際にタジオの妹役で出演した少女が映った気がしますが、どうでしょう。
ベニスに死す〈ニューマスター版〉 [VHS]
長い映画でしたけど、主人公が感情移入しやすかったので見やすくてよかったです。
少年はとっても美しくて素敵でした。
けれど、どことなく漂う「妖しさ」みたいなものが無かったので、
ちょっと残念です。
あの年頃の少年らしくてよかった思いますけど、
もっとこう、「人をひきつけるような妖美さ」があったら、
もっとよかったと思うんですけど。
最初のあたりが少しダラダラしてるかなと思いましたけど、
バックに流れる音楽が素敵だったので、あんまり気にならないはずです。
最後は切ない終わり方でした・・・・
ベニスに死す [DVD]
ビョルン・アンドレセンがとにかく綺麗な男。ま、この映画は耽美映画ではないのですがやはりそこに目がいってしまう。 ダーク・ポガードのモデルはグスタフ・マーラー。かれが若いアンドレセンに魅了されるさまはとても上手く撮れている。 淀川さんが絶賛していたのを思い出した。このような美しい映画なら当然。1971年の映画だがそんなことはどうでもいい。このような優れた映画を作ったヴィスコンティに感謝。
トニオ・クレーゲル ヴェニスに死す (新潮文庫)
トーマス・マン『トニオ・クレーゲル』の邦訳は複数あるが、初めて読んだのが高橋義孝訳だったという個人的理由により、思い入れは本書が最も強い。
詩人にあこがれる少年トニオ・クレーゲルは、快活な友人ハンス・ハンゼンや金髪の美少女インゲボルグ・ホルムに一方的な想いを寄せるが、彼らから愛されることは決してない。やがてトニオは故郷を離れ詩人として成功するが、友人で画家のリザヴェーダ・イヴァーノヴナに「迷える俗人」というあまりありがたくない称号を与えられる。
ある日トニオはもはやだれもいない故郷に帰る。かつての自分の邸宅は図書館になっており、あやしまれたトニオは警察につきだされそうになる。
宿泊所でトニオはハンス・ハンゼンとインゲボルグ・ホルムのそっくりさんに出会う。物陰から二人を見つめながらトニオは郷愁に胸を押しつぶされそうになる。自分が仕事をしたのは君たち二人のためだったのだ。自分の部屋に戻ったトニオは、昔と同じ孤独な自分の姿にすすり泣く。
学生時代に読んだとき不可解に思った「どうして本人ではなくそっくりさんとの再会なのか」という疑問は、しかし今となっては氷解している。歳を取ったかつての親友や恋人と会っても、待っているのは幻滅だけである。美しい思い出を壊さないためには、たとえ別人でも若い二人が必要だったのだろう。
全ての文章が詩のように美しい。思い入れが強すぎて客観的な評価がもはや不可能な作品である。とはいえこれはやはり勝者の文学であろう。トニオは彼が最も愛する人たちからは愛されなかったが、その代わり読者や評論家たちからは愛された。地上の愛は手に入れられなかったが、名声は手に入れることができた。しかし現実にはどちらも手に入れられないのが人生というものなのだ。哀愁と郷愁と憧憬と嫉妬と、そして何よりも残酷な美しさをたたえた名作中の名作である。