新青年傑作選怪奇編 ひとりで夜読むな (角川ホラー文庫)
ほとんどが昭和初期に書かれたものであるため、現代人の私が読んでも背筋が凍る程の恐怖を感じることはありませんでした。
もっとも著者達は、現代ミステリ・ホラー界にとっも先導的立場にある人々であり、その影響を受けた後世の作家の、同じような雰囲気の作品を私が読み慣れてしまったせいかもしれません。
また、当時の人々が恐怖していたもの(医学的に解明できない奇病、医学的にありえる奇形等)と現代人が恐怖するものの間に微妙なギャップがあるのかもしれません。
当然、この短編集の中にも、人の心の病を題材にしたものが多く、読んでいてゾクッとしたことも度々でした。
古典的情緒あふれる文体も魅力的だし、友達にも勧めたい気もするが、さてこの本は、旅のお供にピッタリか、それとも秋の夜長にピッタリかと考えると、ちょっと微妙なので☆4つにしました。