本人vol.11
明石家さんまは滅多にインタビューを受けないと聞いたことがある。もしも受けたとしても、それはさんまの中で出来上がったコメントであり、さんまは腹を割らないだろうし、ぶっちゃけた話にもならない。言いたいことはテレビで全部言うさんまにとって、このインタビューはそれの延長線上にすぎないと思いながらこの本を立ち読みしたが、正直面白かった。半分くらいは出来上がってるコメントで「聞いたことのある話」だったけど、残り半分は(私の中では)初めて聞いた話だった。特にテレビの話はなんだかんだ言っても未だにテレビの先頭を走っているさんまから「これからのテレビ」の話を聞けたのは貴重だと思う(さんまのことだからその話も出来上がったコメントにするかもしれないけど)。立ち読みで済まそうかと思ったが、じっくり読みたくなり買ってしまった。
次号はどうする、本人。
わたしたちの好きなもの (BEAM COMIX)
バリバリの現役漫画家が、他の漫画家にオリジナルの原作を提供する、ということも珍しいことだが、そうした試みが見事な結実を見せている。
原作担当の3名は、それこそ名うての凄腕揃いであるが、そのひと癖やふた癖どころではない「むちゃ振り」を、鮮やかに自らの表現にしてしまっている、新鋭・安永知澄の手腕と個性に驚かされる。
バラエティ豊かな、とても面白い短編集。
ちなみに余談ですが、上野顕太郎原作「ちぬちぬとふる」がコミックビームに掲載されて以来、ウエケンファンを公言しているうすた京介は、「ピューと吹く!ジャガー」の雨のシーンに、ズーッと「ちぬちぬ」という効果音を入れています。