にほんのうた 第四集
手嶌葵と坂本龍一が合作し、岡林信康も同じアルバムに入ってるってだけで衝撃的だったコンピ。rei harakami、細野晴臣も参加してるだけあり、非常にハイセンスであり日本の情緒を10年代の今感じることのできるいいアルバムです。
放送禁止歌 (知恵の森文庫)
「東京番外地」で著者の森達也氏を知り、本書にも興味を持った。
本書はテレビディレクターである森氏が
1999年に制作、放映したテレビドキュメンタリー「放送禁止歌」の取材過程を
つづったものである。
当初のテーマは、特定の歌謡曲を放送禁止処分にする「権力」を追う、というものだったが、
取材が進むうち、そんな「権力」はおろか「放送禁止歌」すらも存在しないことがわかる。
ではなぜ、放送されない歌、発売されない歌があるのか。
それはメディア自身の過剰な自主規制が原因であった。
放送禁止歌は「お上」や「圧力団体」ではなく、
メディア側の人間(=森氏自身)が自ら生み出したものであった。
表現の自由は思考の自由と等価であり、絶対に守られるべきものである。
しかし、差別用語やわいせつな性的表現、暴力シーンなど、
ある種の表現が相手を不快にさせたり、尊厳を冒涜したり、名誉を傷つけることもある。
だからこそ、批判やクレームを引き受ける覚悟なしに、本来、自由な表現はありえない。
メディアは、そうした批判やクレームを引き受ける覚悟もなく、
トラブルを避けたい一心で、放送禁止歌を生み出してしまった。
そしてそれとひきかえに、表現の自由、思想の自由という、
メディアにとってもっとも重要なものを放棄してしまった。
これが、森氏のメディア批判、自己批判である。
なかなかに骨の太い本である。
残念ながら筆者は映像は未見だが機会があればぜひ見てみたい。
だからここに来た!-全日本フォーク・ジャンボリーの記録- [DVD]
非常に若い頃のエンケン!渡さん!哲夫さん!揃って写っている映像は少ないと思われる五つの赤い風船に六文銭、岡林の"ロック化"で伝説となったはっぴいえんどのバッキングプレイ!
手軽なビデオカメラがなかったゆえに素材自体が少ないはずの貴重なライブ映像がまとめて楽しめることに、当時を知る人はもちろん「伝説」として伝え聞くだけだった世代にとっても待望のDVD。
フォークシンガーたちや当時の観客(参加者)たちの服装、彼らの「話し方」、身ごなしにも、ドラマや劇映画では知ることのできない昭和40年代の生活感、空気感があらわれており、味わい深い。
それゆえ、鑑賞後には「もう終り?」と思う、収録時間の物足りなさが惜しい。
特典映像はどうにも「つけ足し」の感が否めない。もう少しでも、世に出ていない素材はないのだろうか!
あの頃映画 松竹DVDコレクション 「きつね」
中三の時、友人と見た思い出の作品がやっとDVD化!当時は万耶の年齢に近かった自分が今では緒方より8才も年上になりましたが、28年振りに見るこの作品はあの頃と変わらない感動を与えてくれると思います。
公開当時のキネ旬で皆川博子さんが書かれてますが 「十四歳の少女が恋を知り、死期を知っている為に激しく燃焼し、固い蕾が花にかわってゆくさまと北海道の四季のうつりかわりをかさねあわせた『きつね』」 というこの作品。
内容もイイですし、とにかく万耶役の高橋香織さんが成長していく姿がフイルムに納められていてとても素晴らしい。
公開当時は併映に恵まれず(同時上映は「大人」の恋愛映画で「きつね」目当ての中三にはキツイ作品でした・・・)興行的にも残念な結果に終わりましたが、ぜひこのDVD化を機会に多くの方に見ていただきたい作品です。
ところで監督である仲倉重郎さんのblog「なななかばといっしょ」によるとDVD化作業に立ち会われた様子。更には「特典映像は、予告編以外にも、スチール写真や撮影風景の写真などがスライドショーで見られるようにしたという。」との一文も有ましたよ。