ぼのぼの [DVD]
ぼのぼのの問いにスナドリネコさんはいつも答えてくれます。
そして今回もラストに答えてくれました。
スナドリネコさんはとても哲学的なことを話しますが、その話し方が素敵です。ひとつひとつかみ締めるように、自分の意見を押し付ける形じゃなくて、
何気ないことを話しているようにとも違うんだけれど、さらりとした話し方が魅力的ですね、そんな彼だからこそぼのぼのも話しやすいのかもしれません。
と、こんなことを「ぼのぼの」ファンならきっと思ってしまうでしょう。
もちろんほのぼのした気分になりたい人にもおすすめです。
羊の木(1) (イブニングKC)
罪を犯した人間と罪を犯す必要も欲求も持たない人間が対峙した時、何が起こってゆくのか?
凶悪事件を起こした元受刑者11人を自治体で引き受けて欲しい…
法務省からの申し入れを戸惑いながらも受け入れる町長。
すべてを秘密裏に運ぶよう、町長から元受刑者の世話を委託された月末と大塚。
彼らの日常を描く前置きはほとんど無く、間髪入れずに凶悪事件を起こした元受刑者たちと次々に対面してゆくこととなる。
月末らのキャラクターの詳細が無いのは、読者を彼らの位置に座らせようという作者のねらいであろうか。
法務省の指示通り、犯罪者らに真心をぶつけて難局を乗り切ろうとする月末だが、異様な肌触りの出来事を次々と体験する事になる。
「羊の木」を読みながら思い出したのは、郷田マモラの「モリのアサガオ」。
こちらは死刑囚と刑務官の物語であった。
死刑囚の心中を地獄巡りさながらに読み込んでゆくことで、我らも彼らと同じ地平に立つ弱い生き物だと説いていたように思う。
対する本作は観念の世界を離れ、生き物と向き合った時の体温や呼気の臭い、目と目が合った時の感覚などの生理的感触を持つよう迫ってくる。
ふだん「犯罪」とは遠い世界の話のように感じるし、彼らの罪をどうとらえるかなど深く考える事もほとんど無い。
しかし陪審員制度が採用されたいま、裁くという行為に己が関わる可能性はあるのだ。
そして恒久的に自分や身内が犯罪に関わりのないまま過ごせるという補償も無いのである。
裁判や新聞記事では、罪を裁量するに必要な本質など分からぬのではないか。
犯罪小説のように、自分を納得させてくれる動機や理由が明確な事件など稀ではないのだろうか。
わたしは、罪という川のあちら側を覗きながら、戦慄と共に被害者意識を募らせる事しか出来ないのだろうか?
「人間」を知る為の歩みはまだ始まったばかりだ。
巻末の山上×いがらし対談を読んで、そう思った。
山上たつひこ、いがらしみきお両氏の真骨頂、どんな結末が待っているのか目が離せない。
TVアニメシリーズ 『ぼのぼの』 DVD-BOX vol.2
私個人的な意見では、一巻の方が好きなのですが・・・
こちらももちろん素晴らしい作品ばかりですよ!
こちらは一巻よりも多くの登場人物がでてきて、
ストーリーも少しひねってある感じです。
あっ、あとぼのぼのの最終話は絶対に見た方がいいと思います!
ユリイカ2011年11月号 特集=やくしまるえつこ
話題のユリイカやくしまるえつこ特集号、遂に読了しました。
これまでも何度か雑誌で紹介されることはあったやくしまるえつこと相対性理論ですが、
いかんせんその情報量の少なさ故か、数年前の「STUDIO VOICE」特集のように
フタを空けてみたら内容が的外れで薄っぺらい…みたいな酷いことも少なくありませんでした。
そして遂に<ユリイカ>がやくしまるえつこの特集です。
丸々一冊特集に使っていることもあり、これまで出た雑誌の中でも特集規模はおそらく過去最高でしょう、
これまでの中では最も充実した内容と言っても良い出来だと思います。
何人か「?」な批評家がいるのはユリイカでは毎度お馴染み(笑)いつものことですのでそこはご愛嬌です(笑)
やくしまるえつこ本人の参加しているQ&Aとイラストコーナーと短編小説、やはりこれらが白眉の出来で、最も面白いです。
Q&Aにはそうそうたる各界の大御所が参加していますが、みんなやくしまるえつこの事がとにかく大好きなんだな〜と微笑ましくなります(笑)
彼女の回答はいつも通り端的ながらも確実に的を射ていて、秀逸すぎる言葉のチョイス、その抜群のIQの高さにドキっとさせられます。
イラストはカラーページで分量も多く圧巻、初めて見る絵も多く、いがらしみきおや幾原邦彦との往復書簡まで見れて大満足です。
短編は不思議でちょっとした怖さや不安な気持ちにもさせるような、意外にも純文学っぽい作品で興味深く、完成度が高くて驚きました。
彼女と直接の関わりがあるミュージシャンやサウンドエンジニアや関係者などの
彼女の身近にいる人々の文章は、とてもリアルにその魅力を伝えていて読み応えがあります。
やくしまるえつこのことを「世界の中心」と最初に評したスチャダラパーのボーズ氏の文章は今回も凄く面白いですし、
レコーディングの現場にいるZAK氏や米津氏のエッセイには感動するものがありました。
批評家の文章では、「涼宮ハルヒのユリイカ」にも寄稿していた上田麻由子氏による論考「いつか革命される物語のために」が特に良かったです。
底知れぬ彼女の魅力をほんの少しでも垣間みれた気がする、と思いきや、やっぱり彼女の掌の上で転がされている気になる、そんな一冊でした(笑)
TVアニメシリーズ 『ぼのぼの』 DVD-BOX vol.1
ちょっと昔のアニメですから、下ネタや光の明滅は多いですが
柔らかいタッチのアニメなのでそれほど気にはなりません。
(テレビから離れてみれば大丈夫!)
哲学的な話、仲間思いの話、好奇心いっぱいのぼのぼの達の冒険、
大人と子供のチームワークなど
今の子供に見せてあげたい内容ばっかりです。