荒野の決闘 <特別編> [DVD]
マイ・ダーリング・クレメンタインが流れ、柵に打ち付けた木板に焼きごてで描かれたタイトルバックで始まる冒頭から、モニュメントバレーを望むラストまで、一瞬たりとも緩むことのない完璧な映画。カメラがいい。雲大きくを取り入れたショットの数々、ランプに光る酒場のカウンター、斃れたドク・ホリディの傍らで揺れる白いハンカチ・・、そして荒くれの町に流れるシェークスピアのソネット、H.フォンダ、V.マチュア、R.ダーネル、C.ダウンズ、W.ブレナン、・・役者もまた完璧。「怒りの葡萄」と並んでフォード作品の最高峰にして、映画史上のベストワンとします。
荒野の用心棒 [DVD]
モリコーネの音楽とイーストウッドの演技だけで、この映画を見てよかったと率直に思った。オリジナルは黒澤明監督の用心棒である。ストーリーの骨格はほぼオリジナル通りだ。けれども、ところどろこの要所では工夫したシーンに書き換えられていてオリジナルとは違った雰囲気を作り出している。
よい映画というのは後味がいいものだ。ラストシーン(エンドクレジット)を見ていると、ファーストシーンからラストまでの場面が一気に脳裏をよぎっていく爽快感がある。
この映画でもその爽快感を味わうことができた。秀作である。