鈴木先生(10)ーアクションコミックス
どんどん字が増えてきて もはやゴーマニズム宣言なみになってきた鈴木先生。これじゃマンガじゃない。
もういいやとも思いげりみそから読んできてるのに脱落しかけてきてました。
が、通して読むと 神の娘編は伏線も拾いまくりナイスなまとまりを見せました。
それにしても公園の人々への女生徒たちのまなざしは 空論的というか 実体的には
ああいう結論にいかないだろと思いますね〜〜。
全体的にも現実にはほぼ男性がおこないがちなカテゴリーの 非常識な言動も女性キャラばかりがとり、
作者の女性嫌悪のすごさに驚いたし。(たるこ先生や、カーベー マリあたりはともかく 水木さんとか西の小学校の担任はねぇ・・)
とはいっても 破綻なく全うできた全11巻。奇跡の完結。
絵のうまさ かき分けは特に本当にすばらしかった。
ただ 帯 解説ともにどんどん豪華になっていくのも見所なのに再版はドラマ帯になっていて残念。
麻生久美子 最相葉月 伊賀大介 オリラジ中田 白石一文 江口寿史 花沢健吾 ともはやマンガ自体よりすごいような気もするのに。
特に本巻所収の中田解説はイメージを裏切る明解 簡潔なナイス解説です。
鈴木先生(7) (アクションコミックス)
前巻から続く「できちゃった結婚」は是か非か?
それを教師たる者がやってしまって
生徒へ示しがつくのか?
という「鈴木裁判」。
いよいよ決着。
それにしても、ネームが多い。
多すぎるんですが、読むしかない。
この決着がついたあとの「足子ご乱心」が
あまりに内容が違いすぎて笑える。
足子センセイのイカレっぷりが
他人事ながら、この学校疲れるなぁ〜という感想w
掃除当番―武富健治作品集
著者がこだわりがあるらしい女子中学生の思春期をテーマにした作品集。あとがきの自作の解説に、それぞれの作品に対する著者の深い思い入れが感じられる。若い頃の作品ということもあって、線に安定感があまり無い作品もあるので、もう少し絵が上手ければと思ったりもするところもあるが、一昔前の漫画のような線は、もちろん魅力でもある。作家としては苦しい時代だったようだが、メジャーになって読者に期待される作品を描くことを余儀なくされるより、自分の表現したいことを優先できる時代の作品には、それだけの不思議な力が宿っている。遠く懐かしい思いを抱くも、いまだ子供にとっては変わらないであろう思春期の思いが、一つ一つの線に込められている。そんな文芸作品のようなすてきな短編集である。
鈴木先生 2 (アクションコミックス)
「鈴木先生」の一巻は衝撃だった。
しかし、二巻は、一巻以上に衝撃だった。
普通、「何とかの巻」で起こった問題は、よっぽどの事がない限り、
その後に影響しないのがマンガのお約束だ。
ところが、「鈴木先生」は、そこに大きく踏み込んだ。
大河ドラマであれば、全体の連続性があるのは当たり前だけど、
学校ものでそれをやるのは、相当こわい行為だ。
なぜなら、学校は実に閉鎖的な空間で、人間関係が濃密になるからだ。
葛藤をリセットしていかないとドラマを作りにくくなる。
だから、そこには触れないほうがいいし、それが常識といってもいい。
それで作者も読者も安心できる。が、現実は、そうもいかないもんでしょ?
「鈴木先生」は、その、大事でありながら、
マンガの世界では軽んじられている現実を描いている作品だ。
正直いって、私はこの二巻を読んで、相当に落ち込んだ。
この気持ちを持ち直すために、「蒼天航路」を読んで気を大きくする必要があったほどだ。
しかし、読まずにはおられない迫力と存在感が、この作品にはある。
マンガ好きならば、絶対に読むべきだ。
鈴木先生 9 (アクションコミックス)
お世辞にも上手とは言えない絵と教育漫画ということから敬遠していた作品ですが、一巻から今巻までを読み進めてみてその評価は一変しました。
語られる内容は教育の範囲に止まらず人の価値観、倫理観、人間関係の複雑性など深いテーマを扱っていてどのテーマも誰でも一度は聞いたこと、考えたことがあるようなものばかりです。
それ故に誰もがそれに対する答えや考えを既に持っていると思います。
しかし、この作品を読んでみて今まで私が考えていたものとは違う考え方や価値観が多くみられました。
最初は所々の内容の意味を理解することが出来ませんでしたが何度か読み返し、考えることで理解することが出来ました。
『なるほど』と思わせる考えや『それは違う』と思わせる考えまで様々な考え方があり、読み進める程にのめり込んでいきました。
この作品は字数も多いし、絵もあまり上手とは言えない。
しかし、それ以上に深く考えさせられる作品です。
ただ内容を受動的に受け入れさせるのではなく読者に考えさせるという作者の意図が感じられます。
個人的にはとても有意義な内容ですので☆5つです。