駿河城御前試合 (徳間文庫)
『シグルイ』の原作本としてすっかり有名になった一書。目下(第11巻まで)のところ、『シグルイ』で描かれているのは第一話「無明逆流れ」と第四話「がま剣法」であるが、他の諸編も歴史娯楽小説として十分楽しめた。個人的には、エロス感漂う第十話「破幻の秘太刀」と第十一話「無惨ト伝流」が好み。「剣の道は、一切のまよいを最も忌む」(315頁)。
それにしても、ネタバレになるため詳述は避けるが、『シグルイ』はやはり藤木源之助が登場する第十二話「剣士凡て斃る」をも描くのであろうか。これを描くとなると、正直あと何巻続くことになるのか想像もつかないのだが・・・