夢の乙女に永遠の誓いを (ラズベリーブックス)
ブリジャートンシリーズ最終話ということで発売前から期待していたが...
ヒーローは裕福な家の四男で、何不自由なく、あたたかくもお節介な家族に囲まれて育った。
兄弟姉妹が皆、愛のある結婚生活を送っているため自分にも運命の相手がいると信じているロマンチスト。
ヒロインはヒーローとは逆に現実的で愛を信じておらず、規律を重んじ几帳面。
ただし、真面目すぎるわけではなくユーモアも持ち合わせている。
グレゴリーとハーマイオニーがそれぞれの恋について同じ経過をたどっていて面白い。
前半のハウスパーティーの間はテンポ良く話が進み、面白かった。
ロンドンに戻ってからの中盤はちょっと中弛み気味。
グレゴリーがルーシーへの愛に気づく場面まで彼女を意識した上でのエピソードがほとんど無かったので、その辺は物足りない感じ。
ルーシーがグレゴリーへの想いを振り切って婚約者と結婚に臨むエピソードは、彼女の性格(規律が好きで自分の幸せより他人を優先する)を特徴づけるために必要だったのかもしれないが、グレゴリーに希望的誤解を抱かせたことは不誠実だし、彼や兄に相談もせず「自分さえ我慢すれば」といったルーシーの考えはひとりよがりに思えるし、自分から状況を打開しようと行動を起す勇気が無いことの言い訳のようでてイライラした。
しかも、ヒヤシンスに「あなたには分からないのよ!」といった言葉を投げつけているし。
ヒヤシンスだったら最後まであきらめないで状況を打開しようとしただろう。
グレゴリーにしても、前向きで、行動力のあるところは良いのだが、これまでのシリーズ中のヒーローに比べるといまひとつインパクトが弱く、あまり魅力を感じられなかった。
最終的にはハッピーエンドになったが、期待していただけに、シリーズ中唯一不満が残る内容だった。
ヴァンパイアの恋人 誓いのキスは誰のもの? (ポプラカラフル文庫)
越水利江子さんの新シリーズ。
最近の越水利江子さんは、時代物の印象が強いですが
このシリーズはまったく新しい舞台。
最愛の母を亡くした15歳の少女・ルナは
死んだと思っていた父の使い・ランスロットに連れられて
ブルッド・ブラザー島のハーフムーン学園に入学することに。
いきなり寄宿舎に入ることになったが……。
もう冒頭からどきどきの展開で、
あっという間に最後まで読み切ってしまいました。
なにより、ルナの置かれる身の上、
物語のあちこちにちりばめられたアイテム、
そして登場する美形男子たち……!
かつて、夢中になって読んだ少女まんがのようで
(もちろん、悪い意味ではなく!)たまりません!!!
とにかく、ロマンチックでうっとりしてしまいます。
続巻がすぐに出るようですので今から楽しみ〜