重戦機エルガイム大全
冒頭の富野氏のインタービューから始まり、設定資料集、ストーリー、用語辞典など内容は盛りだくさん。エルガイム好きには、満足できる1冊だと思います。(特に富野氏の永野氏デザインへの思い等は、必見!)
しかし、星5つにしなかったのは、本作で一番キーマンとなったであろうメカデザインの永野氏のコメントがまったくなかったからです。
本作で永野氏のデザインに惚れ、FSSの虜となったようなファンには物足りない内容と感じられると思います。
バッドテイスト 荒俣宏コレクション2 悪趣味の復権のために (荒俣宏コレクション2) (集英社文庫)
グロテスク、不気味、悪趣味な題材を集めた解説冊子。のりは、遠き憧憬のあり日の少年雑誌に掲載されていた世界不思議物語のようだ。ただきちっとした解説がしてあって大変興味深く読ませる。悪趣味というのも紙一重だという感慨が残る。
惜しむらくは、というか良いというべきか?著者は、タレント性を買われてかTVでの出演が多く、好もしい人柄と親しみやすい風貌をよく知られていることもあって、読んでいる最中、片時も著者の顔が脳裏を離れない。これをバットテイストというかどうかは人によるということか。
バッド・テイスト [DVD]
現在の怪談めいたホラーとは異なる80年代後半ならではの血生臭い作品だか、カルト的コメディーを交えているところがミソ。馬鹿馬鹿しい展開は、大爆笑するというものではなく、苦笑の連続。80年代ホラー映画としては極めて異色な作品である。
完全犯罪証明書―ミステリー傑作選〈39〉 (講談社文庫)
短編ミステリが全9編。
それぞれの作家の個性が出ていて楽しめます。
『ドア→←ドア』。コミカルな感じの中にも殺人を犯した者の恐怖が伝わってくる。
『過去が届く午後』。かつての同僚、友人が久しぶりの再会を気に、奇怪な行動を…。
異常性が恐ろしいサスペンス。
バッド・テイスト [DVD]
アカデミー賞を総なめにした「ロードオブザリング」三部作で世界の映画界の頂点に立った男・ピータージャクソン。その彼が世界制覇する15年ほど前に、ニュージーランドの片田舎でアルバイトしながら4年かけて週末ボンクラ仲間達と自主制作で作りあげたのがこれだ。低予算のほとんど自主制作に近いプロダクションなので、全て手作り、俳優は監督の知人のみという状況。だが、冒頭でのクレーンカメラへの映像の切り替えや特殊メイクの粗をうまくごまかしたカメラ割り、テンポのよい編集など、この当時から映画的センスの高さを見せ付けている。グロいなどとよく書かれていますが、特殊メイクは工作レベルですので、不快感などなく、よくがんばったなあーと感動すらしてしまう気持ち良さだ。公開当時一部のマニアからは絶賛されたが、普通の評論家達は黙殺。評論家達はのちの巨匠の才能を誰も見出せなかったわけだ。評論家達がジャクソンの存在に気づいたのは、ベネチア映画祭で賞を取った「乙女の祈り」からというのが大方のところで、評論家とかいうヤカラの見る目のなさはいつもの通り。またジャクソン監督、こういうノリの作品を大金かけて作ってくれないでしょうか。しかしアカデミー賞監督がこの作品ではゲロ飲み、脳みそはみ出し、ヨダレ垂れ流しで熱演してますよ・・・。