入門ヘッジファンド―やさしくわかるヘッジファンドのすべて
米国の公的・私的年金、大学基金等が資産の一部をヘッジファンドに投資する時代が来ており、主として富裕層向けだったヘッジ・ファンドに対する認識にも大きな変化が起きている。本書は、その歴史的背景や運用手法を投資信託と比較して説明した良書で、ヘッジファンドの長所だけでなく短所も冷静に客観的に分析した素晴らしい入門書である。相場環境が悪い時にも絶対利益を追求できる全天候型ファンドとして注目されているヘッジファンドだが、本書は、一見ヘッジファンドの短所と見えるところが実はヘッジファンドの長所になっていると指摘している。例えば、少数の大口投資家向けのヘッジファンドの運用資産の規模は比較的小さいが、そのお蔭で、巨大な投資信託が到底投資できないような小さな投資対象にも投資できる。また、ヘッジファンドでは、換金が許される頻度が少なく、投資期間が比較的長く、相対的に流動性が低いが、それゆえに逆に、流動性は低いが、収益性は高いと思われる投資対象にも積極的に投資できる。また、ヘッジファンドは運用会社の規模が小さいが、投資信託における投資委員会等の官僚的な枠組みから解放されている為、業者から良い投資アイデアが集まって来やすくなっているという。また、本書は、ヘッジファンドが、米国の大手投資銀行にとって、既存証券の売買執行や新発証券の販売の領域だけでなく、相場環境が悪い時にも恒常的に収入が入って来る他の領域(ヘッジ・ファンドが証券の空売りをする際の貸株や証券の信用買いをする際の融資やヘッジ・ファンドが保有する証券の保管・管理業務等)において無くてはならない重要な収益源になっている状況に関しても詳述している。翻訳も読みやすい。
Nijinsky [VHS] [Import]
不世出の天才バレエダンサーニジンスキーが精神を病んでいく過程を美しくハイセンスな映像で描いた作品。
アメリカン・バレエ・シアターのダンサーGeorge De La Penaがニジンスキーを熱演。
内容も濃く、バレエに興味ない方にも勿論お勧めだが、「薔薇の精」や「牧神の午後」のダンスシーンが特に美しく撮られており、バレエ好きにはたまらない作品だろう。映画「赤い靴」が好きな方になたら絶対お勧め。なぜこの作品がDVD化されていないのか首を傾げることしきりである。
Mademoiselle [VHS] [Import]
邦題「マドモワゼル」。フランスの異才作家ジャン・ジュネが1966年に書き下ろしたシナリオを英国の鬼才・故トニー・リチャードソンが映像化。モノクローム・ワイドの画面いっぱいに、片田舎で展開される常軌を逸した有閑夫人(ジャンヌ・モローが好演)による残酷な物語。物語自体は後味の悪い話なのに、奇妙に心に残るのは、錦ヘビが絡まる長い長いショットから繋がる驚愕のフラッシュバックによるエピソードを始め、映画でしか表現できないものをよく知悉した鬼才作家のシナリオと演出のハーモニーが心地よい映画的リズムを作り出しているからにほかならない。リチャードソンの映画は、このほかにも著名作家の映像化作品が多いが、いわゆる文学臭がする頭でっかちの作品が皆無なのは、鬼才たるゆえんだ。
弁護士イーライのふしぎな日常 コレクターズ BOX Part1 [DVD]
売り文句だとイーライが法廷に立つとだれもかれも皆が幸せになる、って感じだったのに実際観ると皆が幸せになるというよりは依頼人が納得する結果で裁判を終わらせる話ばかりでした。
イーライを信じる人やイーライに優しい人が周囲に本当に少なくて、信じて貰う為に嫌な思いをしたり物語の殆どをそれに使われするのも幸せな気持ちにはならない理由です。
周囲の味方?理解者、理解しようとしてくれるのは所長と鍼師だけ。 コメディ要素の為なんでしょうが、友人の秘書はイーライが気分良く仕事出来る様に努力すら出来ない皮肉屋の女性だし、他も嫌味を言う人間や怒る人ばかりでイーライの理解者が少な過ぎ。
イーライが目覚め?るまで嫌な悪どい人だったならまだ解るけど、やり手弁護士だったのに大きな予言が当たっても兄が理解者になっただけで、次のお告げも信じて貰えず罵倒される始末。
物語を感動的にさせる為イーライを可哀相な目に遭わせた方が盛り上がるはず!と狙った造りなんでしょうが観てる方は一々気分良くないです。
純粋に楽しめる物語もありましたけど…ハッピーな話を期待してる方には余りお勧め出来ません。
人間ドラマとして宣伝したら良かったのに…そしたらハッピーで楽しい物語なんて変な期待しなかったから。