ワインの自由
自由とは、他からの影響、拘束、支配などを受けずに、自らの意思や本性に従うことをいう。[本書巻頭より]
ワインにはステレオタイプ的な考えや先入観が多く存在していますが、このような偏見や権威に捕われることなく、ワインに対する意見が自由に記述された「ジャーナリズム性とワインへの愛情」を感じる1冊です。
束縛から離れて自由に考えること。ワインに限らず、我々の日常においても重要ですね。
ユウキ欲しい!? (Soir〓e books)
宝塚時代の経験をよかったこと、辛かったことまでつぶやくように天海さんの思いが語られていました。
色々な経験があって、今の天海さんがあるんだ、みんなにすごく気をつかっていろんな人に慕われる天海さんの人柄はこうして育まれたんだなあ、というのを感じました。ますます天海さんを好きになってしまう素敵な本です。おすすめです。
革命の夜、いつもの朝 [DVD]
セールで安く売っていたというだけで手に入れたDVDだったが、68年五月のパリの騒乱を見て取れる興味深いフィルムだった。
まず見ていくと、観る側に対して心地いいと感じさせるような映像のテクニックというかトリックをあまり使っていないように見えたのが新鮮だった。ある種、ありきたりな街の風景の中で市民がバリケードを作り、機動隊が対峙し、投石があり、放水があり、サイレンが鳴り拡声器から声が響く。その見映えが決しておしゃれでなくある面みっともなく見えるところが印象に残った。後に続く討論の渦も、見せ方を洗練させた撮り方でないところが、なんともよかった。革命なんて口走れば何か格好のいい立ち姿や仕草を連想してしまいそうにもなるが、現実に体を張った動きは一面でとてもみすぼらしくもあるものだというのが、このフィルムを見ているとよくわかる。革命といわれる動きの格好悪い部分も含めて構成していることに、好感を覚える。逆に、格好良く見せたものには嘘がある、ということにも思いが及ぶ。何事か格好良くまとめているものには大きな嘘がある。生きることの格好悪さを他人に押し付けて隠蔽している部分が相当にある。無矛盾でスムースな言いくるめ方には大きな無理がある。言葉にされないところに隠微な力が及んでいる。その一方、生きてることのみっともなさと、みっともなさを引き受けて身体を張る潔さと、それにかかわらずもっと良くなろう、よく生きようとする願いとがこのフィルムからは伝わってくるし、そんな生き方に共感する。ここからの世界を見つめると、今よりもかなりぶ厚い人の生き方が見えてくる。
ここでの出来事から発想された社会思想は少なくない。これを見てこの時代に、あるいは今の時代に違和感を感じてみるのも面白いと思う。