レッド(1) (イブニングKCDX)
ネタバレになるので書きませんが、誰々がいつどうなる、という定めがあらかじめ作者の記述にてはっきりされています。
左翼漫画ですが、うざいサヨク思想なしで展開ありきの漫画。読み初めたら続きを読みたくなります。
今度既刊を揃えたいです。
YOUNG&FINE (アクションコミックス)
一見粗雑なようでいて、とても完成されたストーリーです。なかなかセックスに踏み切れない高校生を中心とした青春、アル中の先生を中心とした、大人になりきれない大人の悲哀、強くて自立した働く母を中心とした、典型的な現代の家族モデル。幾通りもの読み方ができます。でも、若くて健康なアナタには、えっち描写だけでもお勧めです。
ヒッツ・オンTV Drama&MOVIE~CLIMAX~
大河ドラマあり、各民放の主力ドラマのテーマ曲を網羅したこのアルバム。
収録曲を見た瞬間予約してしまいました!
変わり者かもしれませんが、この中で一番泣かせて頂いた「新選組!」ジョン・健・ヌッツォさんの歌うテーマ曲が私の一番のお勧めです
値段も手ごろで素晴らしいと思います。
明日また電話するよ
山本直樹の作品に登場する少年少女は皆、別に特別な環境に置かれている若者なわけではない。何かから極端な抑圧を受けているわけでもなく、何かを猛烈に求めているわけでもなく、ただ流れるように同じような日々を過ごして、多分、大人になってからもこうして毎日を繰り返しながら生きていくんだろうな、と思わせるような、そんな若者たち。そして、彼らはドラマチックな展開を経て出会うわけでもなく、何か切実な思いを共有するわけでもなく、それがごく自然のことであるかのように、体と体を重ね合わせていく。それは、読む人によっては、将来を見据えていない、その場限りの手軽な快感に身を沈める、即物的な生き方をする若者たちの、軽薄な物語に思えるかもしれない。しかし、よく読んでみて欲しい。決してそうではないのだ。すべてを終えた後に広がる、何の特別な感情も象徴しない、でもどこか清々しい、風の通り抜けた後のような青さを感じさせる風景。そこに映る解放的な何かは、汗と生温かさの中で果てるイカ臭いカタルシスとはまったくもって無縁のものだ。どれだけ体を交わしてもどこにも辿り着けない毎日に、彼らは少なくともフラストレーションや悲壮感や後ろめたさを抱えてはいない。繰り返される毎日でかまわない。「明日また電話するよ」。そう声を掛けるのと同じぐらい近いところに、魔法やファンタジーは転がっているから。山本直樹のすごいところは、出口の見えない毎日には、それでもこんなに晴れ渡った入り口がすぐ隣にあるんだと教えてくれるところだ。これまでに発表した幾多の短編の中から選び抜かれた秀作をひとつにまとめたこの一冊を読んで、改めてそう思った。定点アングルで描かれた“テレビばかり見てると馬鹿になる”は傑作。