モヤモヤさまぁ~ず2 DVD-BOX (VOL.7、VOL.8)
祐天寺で水風船を投げ合う三人を見てからすっかりモヤさまファンの私。
当然このDVDに収録された回は未見だったので非常に楽しみにしておりました。が、蓋を開けてみれば予想をはるかに凌ぐ面白さ、モヤモヤさ、ドイヒーさ、そして、あたたかさ。笑い疲れるほどに笑えるのに、見終わった時にはすっかり癒されているのです。つくづく不思議な番組です。
カットされてる場面も多々あるそうですが、私のようなビギナーは気にしたくてもそれほど気にならないと思います。私は全編とても楽しく見られましたので、むしろその方が幸せなのかも…
今回の特典映像はとても面白いし、副音声も必聴です。さまぁ〜ずファンや大江アナファンはもとより、町歩きに興味のある方にもおすすめです!
新・ムラ論TOKYO (集英社新書)
仕事でときどき東京へ行く関西人です。東京では主に新宿界隈しか歩かないが、本書を読んで次回は高円寺や下北沢などにも足を延ばそうと思った。自分も青春時代はよく大阪や神戸の古本屋や中古レコード店巡りをしたものだった。そして古本やレコード、CDなどを買った後は店の近辺の鄙びた喫茶店などで商品を眺めながらコーヒーを啜ったものである。そういった店などは今や駐車場付きの大型店舗の進出などで姿を消しつつある。今やその光景は古きよき時代のものになってしまったのか。大阪や神戸はもう大体歩いたので、それでいいかと思っていたが、本書を読んで、今度は明石や姫路のほうもぶらりといってみようかという気になった。そして次回の東京出張の時には、是非高円寺や下北沢あたりをぶらつきたいものである。
魔力
11月3日に陽水のLIVEに出掛けた。招待状のないショーのアルバムが出た時にLIVEに行って以来だから33年振りになるか。当事、高校生だった自分が50をかぞえた。陽水は60を越え、ますます盛んである。
弾き語りパッションではアコースティックサウンドでもどり道を感じさせられたが、なにぶん年をとり、声の張りも失われたかなと思われたが、LIVEで聞いた陽水の声は全盛期ほどではないが、それに近い張りを出していて、どの曲も素晴らしい演奏だった。バックミュージシャンはギター一人、キーボード二人にパーカッション一人とゆう布陣であったが、本当にどの曲も素晴らしいものだった。去年だったか、NHKで放送されたLIVEのミュージシャンを期待してたのだが、1曲目から、この布陣でいいと思える布陣であった。
その中で「覚めない夢」を演奏したのだが、PIANOで始まるイントロからラストまで素敵な曲だった。これは「魔力」を買うしかないと思い、全編聞いたのだが、やはり陽水であった。何も言うことはない。ただ、聞いて感動して欲しい。
井上陽水、彼に出会えた事に心から感謝している。
アースダイバー
「サッ」という発音は岬(み・さき)など突端というか、境界であることを表わすが、皇居がある江戸城跡も太田道灌が江戸城を建築した当時は「関東に広がる巨大な洪積大地が海に向かって突き出した『ミサキ』の場所に建てられいた」(p.234)という。そして、いまや電通などのビルが立ち並んでいる汐留操車場跡地のビル群となったわけだが、かつてこの場所が中沢さんと叔父である網野善彦さんとの間で話題になったという。
網野さんは「ぼくはあそこは天皇陵直轄地にすればいいと思う。そして開発の及んでこられないアジールにするんだ。アジールはとうぜん森にかえる。そしてこの森は、現代の文明から脅かされているあらゆる生き物を守る場所の象徴となる。そうなったらはじめて、天皇制は世界にとってもたいした意義を持つものになるだろう。天皇というものはもともと、アジールを支配して守る存在だったんだから」(pp.236-237)と語ったという。そして、中沢さんは「女性天皇の誕生をもって、明治期にはじまる近代天皇制は、終わりをむかえる」「ぼくは夢想する。双系原理によって立ち、都心部にあっても、自分のまわりをとりかこむ騒音にすこしもそまらない森の奥で。おだやかな森番のようにして生きる天皇が、ある日つぎのように世界に向かって発信するのである。『わたしたちの日本文明は、キノコのように粘菌のように、グローバル文明の造りだすものを分解し、自然に戻していくことをめざしている、多少風変わりな文明です。そしてわたしはそういう国民の意思の象徴なのです』。そのときはじめて天皇制は、この列島の大地に根を下ろすことができるのではないだろうか」(p.238-39)と結ぶ。