仮題・中学殺人事件 (創元推理文庫)
迷犬ルパンのシリーズなど数多くのミステリ作品を発表してきた作者の、記念すべき長編デビュー作。なのだそう。もともと、今でいう「ヤングアダルト」を対象に書かれたミステリだそうで、主人公の探偵役は中学二年生の男女二人組み。クセのない文章でスラスラ〜ッと読めてしまいます。
が、ヤングアダルト対象と侮るなかれ、作者は本作で犯人=○○と、とんでもないことを成し遂げています。この○○、別にハッキリ書いちゃってもいいんです。ネタバレにならないんです。文庫の表紙をめくると、内容案内にちゃんと書かれているので。が、ここでは一応伏せておきます。おもしろ味がなくなると思う方は、この内容案内を読まずに本編へ進んでください。ですが、カンのちょっと鈍い人は作者のねらいに気づかずに読み進めてしまうおそれがあるので、ここはやっぱり内容案内を読んで、作者がどうやって犯人を○○にするのか、ワクワクドキドキしながら読み進めるのが正しい(?)読み方かもしれません。この仕掛けを、よくやったと感心するか、だまされたと思うかは好みの問題ですが。
本書で活躍するポテトとスーパーの二人の中学生、ほかにも何作かで探偵役を務め、それらもいろいろと凝った仕掛けがあるミステリなのだそう。楽しみですね。
ユニコ [DVD]
今のアニメと違い、派手さや躍動感はありませんが、昔のアニメの良さ、人の基本的な暖かさのような物を思い出させてくれます。
昔過ぎて、ビデオレンタルなどでは探せなかったので、感動しました。
確かに画像は良くないですが、そこがまた、変にリメイクされていなくて、逆に懐かしいです。
私に将来子供が出来たら、是非見せたい作品、大切に保管します。
純粋な気持ちを思い出せるお勧めの一品です
旅のエッセイ教室―地球の書き方、歩き方
最近の旅本コーナーでの、紀行文の氾濫に食傷気味となっている人は、この本を手にとってもらいたい。少なくとも巷の自費出版本に見られるような自己中心・自己完結の紀行文と違い、編者・第三者の講評を受け入れた文章は、「人に読んでもらう」事を考えている。個人で旅の話を発表しようとする人は、読者を想定して文章を作成するべきである。この本が世に出る理由はそこにあるかもしれない。朝日カルチャーの教室の作品集ではあるが、仲間内だけに通用するネタで満足している同人雑誌のレベルは既に卒業している。続編を期待したい。