ばかもの [DVD]
ネットの悩み相談に「昔つきあっていた女性が忘れられず、毎日酒ばかり飲んでいます。仕事もクビになりました。僕はこれからどうすればいいでしょうか。」とあったら、一体誰がそんな話に興味を持つだろうか。
誰も見向きもしないような題材で、面白い映画を作っている。地味だが秀逸な作品だ。
主演の成宮くんはいい俳優だ。調べたら主演作はそう多くない。なぜかな。もっと彼の演技を見てみたい。
沖で待つ (文春文庫)
タイトル作品を含む短編が3つ。
すべての働くひとに、という帯に惹かれて買った。
どの作品も気持ちよく軽く、そして、何かこころにしみじみとひびく。
タイトル作、やはり会社で親しい同期というのは、会社の付き合い以上の存在なのだと思う。
すべてかなで書かれた「みなみのしまのぶんたろう」もおもしろい。
繰り返して2回読んだ。
これから社会に出て行く学生にもすすめたい。会社にはこんな世界もあります。と。
crystal (完全限定盤)
1曲目‘2つの星’は舞台殺し屋シュウの挿入歌です。舞台観ましたが以前と変わらぬ歌声、声量聴かせてくれます。半分はオリジナル半分はインストロメンタルでちょっと残念ですがこれからの活躍期待したいです。
やわらかい生活 スペシャル・エディション [DVD]
絲山秋子の原作を読むと共感は出来ないが、主人公の女の生理みたいなものが理解はできる。
だが映画を見ると寺島しのぶの行動原理がさっぱりわからない。
「イッツ・オンリー・トーク=無駄話」を通して人が結びついていくというのがミソなのかもしれないが、
この映画自体が「イッツ・オンリー・トーク」だという皮肉を何度も聞いたものである。
原作者はこの映画・シナリオ(荒井晴彦)を大いに気に入らなかったらしく、年鑑シナリオへの収録を拒んだことで密かに話題となった(映画タイトルが意味不明の「やわらかい生活」となっているのもその表れなのだろう)。
原作と見比べてみるのは色々な発見があり、俗物根性で見ても非常に面白いのでお勧めしたい。
イッツ・オンリー・トーク (文春文庫)
絲山秋子さんは今や人気作家・芥川賞作家で、あちこちから引っ張りだこ、
作品も多く発表していますが、どの作品もデビュー作であるこの『イッツ・
オンリー・トーク』表題作を超えられていません。この作品が最高傑作だと
僕は思います。構成・文体・展開すべてにおいて完璧。キャラクター一人一人
も最高に面白い。
そして何より、僕がこの作品をここまで評価する理由はあと一つあります。
それは、登場人物の一人である主人公の「いとこ」の存在です。このいとこ
のキャラもさることながら、それだけではない秘密があります。いとこに仕
掛けられた「あること」。僕はこの小説をいたって普通の日常小説だと思っ
て読んでいたので、この仕掛けには驚きました。
とにかく面白い。しかし、映画化はいただけない。タイトルも『やわらかい
生活』と変わっているし、この作品を映像化してしまうといとこの秘密が大
なしになってしまう…。
ですから、映画化ということで興味を持った方は、映画を見る前にぜひ先に
読んでみてください。