ONE
インディーズ版発売当初は特定のショップでしか買えなかったアルバムです。
デビューしてからのピアノ&バンド形式ではなく、声とピアノ一本での勝負。
でも決して物足りないということはありません。
その声と音のシンプルさ、全体的にしっとりと切ない雰囲気の曲と儚く美しい日本語、
全てがマッチして最高の作品になっています。
カバー曲もただのカバーではなく、彼女独特の感性と感覚で選ばれた言葉で歌われていて
よく耳にする曲にも関わらずあまりにも新鮮。
オリジナル曲では「Rain」が有名ですが
水滴が跳ねるような軽やかさと同時にパワーのある「Warning」(なんとこれが唯一の全英語歌詞!)、
”さくら、さくら”のようなイントロから入る哀愁を含んだ優しい「愛するもの」 もなかなかの名曲です。
余分なものがない分、素材の良さと味が十二分に出ているこの一枚、
価格もお手ごろなので是非味わってみてはいかがでしょう♪
ONEの名が示す通りシンガーソングライターアンジェラ・アキの原点です。
The Best of WOMAN (初回限定盤)
womanシリーズが好きで、1,2,3とレンタルしていましたが、
パッタリとレンタルせずに、こちらの商品を購入したので、
新鮮味があって、良かったです♪
ただ、やっぱり曲がかぶっていたりはしますね。。。
まあ、老若男女聞いたことがある曲ばかりなので、
どのシーンでも浮いたりせずに、聞けることでしょう。
これだけ購入して、好きなアーティストがいたら、
そこから、広げて行くのもまた、面白いですね♪
アイドラー・ホイール
毎回忘れた頃にひょっこり届けられるフィオナ・アップルの新作。絶え間なく新作が聴ける期待の薄い人なのでそこまで間隔が空い
た気がしないが、前作「Extraordinary Machine」から早7年が経過していた。
2作目「When the Pawn…」に劣らず勿体ぶった長文題の4作目は、ブレの無い独自の世界観を展開させながらもその創りは今ま
で以上に無駄なく、彼女の表現が極めて純度の高い形で濃縮された傑作である。
チャーリー・ドレイトンとの共同プロデュースである本作、基本路線は従来と変わらない。具体的にはフィオナの弾き語りを軸に、バ
ス・ドラムス・キーボードといった楽器を控えめに配置。多彩なビートが潤沢に響くスカスカで埃っぽいプロダクションだ。本作でもあ
らゆる要素が無駄なく響いており、余白を活かした音の配置の巧さに唸る。
事前にシングル・カットを全く行わず発表された本作に商業的な打算は見られず、手作り感あるアートワークを含め一つの工芸品の
様な趣がある。楽曲はどれも一癖あるもので、細部は屈折した響きに満ちたアート性強い創りでも、全体としてはノリ良いビートに貫
かれ不思議な程ポップ、という絶妙なバランス感覚は本作でも健在だ。
だらだら長い作題に反して、彼女の書く歌詞は意外な程すっきりしている。そのシンプルな表現を輝かせるのが、各音節単位まで完
璧にフィットするメロディと彼女の生々しい声だ。音節をはっきり強調する彼女の歌は強いグルーヴ感とブルース感覚を併せ持つ。
彼女には黒人のファンも多いと聞くが、多彩なリズムと憂いを内包したソウルフルな歌を聴く何となく納得させられる。
彼女の音楽で一貫するのが多彩なリズムであり、今回もそれを創出するパーカッションがかなり面白い。個人的に気に入ったのも強
いビート感ある2曲だ。まず「Left Alone」、不穏なピアノ・ループが鳴る背後で強烈にキックし続けるスリリングなドラムに眠る本能を
叩き起こされそうな一曲。もう一つ「Hot Knife」、ティンパニの様な残響多めのビート上で繰り返されるフィオナの多重コーラス、呪文
のような一連の文句が耳に焼き付き離れない。
今回お薦めしたいのが限定版の購入である。限定盤はノート・ブックの様相をとり、中にはフィオナの手書きと思しき歌詞と各楽曲に
触発されたと思われるイラストをカラーを交え満載。自分にとって彼女は音だけでなく、それを創出するエキセントリックな脳内世界を
覗いてみたいと思わせるアーティストの一人だが、このスケッチ風のデザイン・ワークはその一端を垣間見ることが出来る。
イラストは何かの怪物から、人の肖像画までが個性的な色遣いで描かれる。中には落書きの域を出ないものもあるが、それら全てか
ら溢れ出るのがセンス。唯一無二の音世界を創造する彼女独自の美的感覚が加工無く収められているのは興味深い。
DVDは今年3月14日、SXSWフェスにて行われた復活ライヴ映像を5曲収録(約25分)。ビートに激しく痙攣しながら歌う時の彼女の神
経質な表情と、歌い終わった後のリラックスした笑顔の対比が印象的だ。
音楽とアートワークが一体となり彼女の脳内世界を体現した力作、恐らく長いだろう次作までの空白を埋めるに十分な出来だと思う。
Idler Wheel
毎回忘れた頃にひょっこり届けられるフィオナ・アップルの新作。絶え間なく新作が聴ける期待の薄い人なのでそこまで間隔が空い
た気がしないが、前作「Extraordinary Machine」から早7年が経過していた。
2作目「When the Pawn…」に劣らず勿体ぶった長文題の4作目は、ブレの無い独自の世界観を展開させながらもその創りは今ま
で以上に無駄なく、彼女の表現が極めて純度の高い形で濃縮された傑作である。
チャーリー・ドレイトンとの共同プロデュースである本作、基本路線は従来と変わらない。具体的にはフィオナの弾き語りを軸に、バ
ス・ドラムス・キーボードといった楽器を控えめに配置。多彩なビートが潤沢に響くスカスカで埃っぽいプロダクションだ。本作でもあ
らゆる要素が無駄なく響いており、余白を活かした音の配置の巧さに唸る。
事前にシングル・カットを全く行わず発表された本作に商業的な打算は見られず、手作り感あるアートワークを含め一つの工芸品の
様な趣がある。楽曲はどれも一癖あるもので、細部は屈折した響きに満ちたアート性強い創りでも、全体としてはノリ良いビートに貫
かれ不思議な程ポップ、という絶妙なバランス感覚は本作でも健在だ。
だらだら長い作題に反して、彼女の書く歌詞は意外な程すっきりしている。そのシンプルな表現を輝かせるのが、各音節単位まで完
璧にフィットするメロディと彼女の生々しい声だ。音節をはっきり強調する彼女の歌は強いグルーヴ感とブルース感覚を併せ持つ。
彼女には黒人のファンも多いと聞くが、多彩なリズムと憂いを内包したソウルフルな歌を聴く何となく納得させられる。
彼女の音楽で一貫するのが多彩なリズムであり、今回もそれを創出するパーカッションがかなり面白い。個人的に気に入ったのも強
いビート感ある2曲だ。まず「Left Alone」、不穏なピアノ・ループが鳴る背後で強烈にキックし続けるスリリングなドラムに眠る本能を
叩き起こされそうな一曲。もう一つ「Hot Knife」、ティンパニの様な残響多めのビート上で繰り返されるフィオナの多重コーラス、呪文
のような一連の文句が耳に焼き付き離れない。
今回お薦めしたいのが限定版の購入である。限定盤はノート・ブックの様相をとり、中にはフィオナの手書きと思しき歌詞と各楽曲に
触発されたと思われるイラストをカラーを交え満載。自分にとって彼女は音だけでなく、それを創出するエキセントリックな脳内世界を
覗いてみたいと思わせるアーティストの一人だが、このスケッチ風のデザイン・ワークはその一端を垣間見ることが出来る。
イラストは何かの怪物から、人の肖像画までが個性的な色遣いで描かれる。中には落書きの域を出ないものもあるが、それら全てか
ら溢れ出るのがセンス。唯一無二の音世界を創造する彼女独自の美的感覚が加工無く収められているのは興味深い。
DVDは今年3月14日、SXSWフェスにて行われた復活ライヴ映像を5曲収録(約25分)。ビートに激しく痙攣しながら歌う時の彼女の神
経質な表情と、歌い終わった後のリラックスした笑顔の対比が印象的だ。
音楽とアートワークが一体となり彼女の脳内世界を体現した力作、恐らく長いだろう次作までの空白を埋めるに十分な出来だと思う。