Koola Lobita/La Sessions
koola lobitos時代のフェラは若くて力強く、躍動感あふれる演奏でかっこいいです。いかにも(音楽留学した)ロンドン帰りですという都会的な雰囲気を撒き散らしなら、バリバリ演奏してます。
MUSIC MAGAZINE増刊 クロス・レヴュー 1981-1989
1981年に始まったミュージックマガジンのクロスレビューのうち、中村とうよう氏が執筆していた1989年までのものを一冊にまとめた書籍です。
リアルタイムに接していた世代には当時を思い出しながら読むと楽しめます。
「後追い世代」には何年何月に誰が何を発売したか、という予備知識が無いとつらいかも。
ポリスのシンクロニシティの評価はどうだったんだろう、マイケルジャクソンのスリラーは?という読み方には対応していないのが残念。
巻末にミュージシャン別のリストがあれば良かったのになということで★一つマイナス。
Zombie
最高のノリを持った曲で、初めて聴く人にはこれおすすめ。
彼にしては短め(といっても12分くらい)だし。
この曲はナイジェリア軍兵士を皮肉ったもので、これがもとで彼のカラクタ共和国(彼の家ね)が兵士の襲撃を受けて母親が殺されてしまうという悲劇的な結果を招く。それでも彼の闘争心は衰えることなくno agreementへ続いていくという、彼の闘争の生涯にとって記念碑的な曲。
まぁこんな話はともかく、是非聞いてくれ。ブッ飛ぶから。
武器なき祈り―フェラ・クティ、アフロ・ビートという名の闘い
昔からアフリカの魅力をエッセイや写真集で伝えてきたフォトジャーナリスト板垣真理子さんが、まるで神の啓示のようにフェラが乗り移って書いたと言われる本作は、「おいでよアフリカ」などで親しんだ板垣さんの自然体の文章とはチョット違った構成(当然ながらフェラが乗り移っているワケですから)になっているところが面白いですね。逆にここに作為を感じてしまう人には読みづらい文章に写るかも知れないですけど。
僕自身はフェラの音楽は好きだけど彼の活動自体にそんなに詳しいワケではないですが、これまでの音楽を通して戦うフェラといった伝説化したイメージに対し、板垣さん自身が直接目にしたフェラの姿はより実像に近いと思わせる説得力があります。つまり政治的なメッセージから逆算したフェラ像ではなく、アフリカの大地で生活し、歌を歌うことで人生を表現してきた一人の人間としてのフェラが見えてくるということです。これはフェラが乗り移るといった特異な文体がなしえたマジックではないでしょうか。とにかく無性に音楽が聴きたくなる本ではあります。