夏の庭―The Friends (新潮文庫)
とても丁寧に作られていてとても感動しました。
ただ男性からすると、少年3人の言動に多少違和感があります。
細かいところですが、リアル感はないです。
サッカー教室よりも張り込みを優先したり、言われるがままに人の家の庭を
汗水たらして草むしりしたり、やらねぇだろって突っ込みたくなる箇所が結構
あります。筆者が女性だからと言ってしまえばそれまでですが全体的に
「きれいごと」感が漂います。筆者もあとがきで「この作品は祖父に捧げます」
と明言しているので、この作品は書くことに意味のある小説であり、「一つの物語」
としては物足りなさを感じてしまいました。
西の魔女が死んだ [DVD]
本作には「余韻」がある。これは素晴らしいことだ。監督自ら手掛けたホンの力もあるだろうが、やはり俳優陣の卓越した演技力が「口当たりのよいワイン」のような効果を生み出したといえよう。まずもって、主演のサチ・パーカーが凄い。母親の作品はたくさん観ているが、娘はハリウッドでもそんなに「映画女優」というイメージではなく、出演作も少ない。それがこの名演技である。やはりこれは遺伝なのだろうか。ロケ地の効果も大きいが、おばあちゃんは本当に魔女だったのでは?と思えるくらいの芝居で魅せる。日本語も堪能なのは小学校まで学習院だったからだろう。できれば特別出演でS・マクレーンにも登場してほしかったな(笑)。また孫娘役の高橋真悠も素晴らしい演技を見せた。ひとりの登校拒否生徒が、心の平安を取り戻す過程は本当に見事だった。映画はほとんどこのふたりのシーンで占められているが、決して退屈にならず、それどころかもっと観ていたい感情を抱いた。ゆえに、ラストシーンは涙が溢れるのだろう。どこか日本映画っぽくないのも緑豊かなロケーションの為せる技か。「オズの魔法使い」にも通ずる感じもするし。子供たちにも観てもらいたいココロに響く名作です。
Collection Blue
手嶌葵のBEST盤!
ぜひ大音量で、細かい音の隅々まで堪能してください。
楽器のチョイスもヴォーカルを絶対邪魔しない、綺麗なものばかり。
音と声の美しさはもちろん、カバーも多いとはいえ、
彼女の声だと歌詞の深みも一味違ってきます。
5曲目「奇跡の星」他、オーケストラの重厚さがいろいろいろいろ拍車をかける!
一曲ごとにため息とか涙とか、心が洗われるようですよ。
西の魔女が死んだ (新潮文庫)
話題作でありなんとなくいいかも、くらいの気持ちで読んでみました。
パラパラめくってみて字が大きいし児童文学?と最初は侮っていたのですが、読み始めてからそれがまったくの誤解であることに気付きました。
なんという美文、情景描写がまるで赤毛のアンのように鮮やか!
それでいてすごくスピリチュアル。
魂は永遠であることや、シンクロニシティ(偶然の一致)を理屈じゃなく感じている人にはツボだと思います。
最後、涙が溢れてとまらないってほどでもなかったけど、自然にひとすじ涙が流れていました。
同時収録のもう一つの短編もその後の「まい」が書かれていて、良かったです。