アンフェア the answer DVDスタンダード・エディション
監督が女性だからかもしれないが、
主演の篠原涼子が年をとってきて、程好く
肩の力の抜けたリアルな女性像が良い。
伏線も丁寧に張られていて
最後まで心地よい緊張で引っ張られる。
シリーズとしては無理な設定とかご都合主義とか
いろいろ突っ込みどころは満載だが
現代でハードボイルドやるには、
断然男よりも女の方が似合っている、
ということが実感できる。
ドラマの邪魔しないBGMもまた良し。
落陽 [VHS]
日活映画会社を倒産に追い込んだ映画と言われているが、今見ると悪くない。
甘粕正彦をモデルにしたような主人公が旧満州で活躍する。
杜月笙や石原莞爾など実名と山見(里見)など仮名の人物もある。
ただ満州国という歴史的国家が、実は日本の傀儡だったことを知る人には
興味深い映画である。
アヘンに日本軍がどうかかわったを描いたことが、この映画の命取りになった可能性がある。
しかし中国観光映画として見ると、ロケの素晴らしさや音楽で価値高い映画と思う。
よるべなき男の仕事・殺し [VHS]
村川透監督の最高傑作「野獣死すべし」の匂いを持った傑作。得意のスタイリッシュなカメラワークや作品ルックは、今回はシンプルに抑え、乾いたハードボイルドを構築している。同じ原作の原田芳雄主演「反逆の旅」と二本立てで名画座で観たい。
サヨナライツカ [DVD]
原作を読んで号泣してしまうほど感動したので、その後に映画を観ました。
まだ読んでない方にはぜひ原作も読んでほしいです。
主役のお二人は元々クールな印象の俳優さんなので、ものすごい情熱的!っていう感じでもなくて、
全体的に淡々とストーリーが進んでいくのですが、ところどころ韓国ドラマっぽいような場面もあり、
それはそれで楽しめました。
中山美穂さんは相変わらず綺麗で、衣装、髪型、メイクなどにも登場する度に違っていて、
彼女の色んな姿を見ることが出来ます。
ただ、メイクがどぎついためにかなり老けてみえるときも。
20代にはちょっと見えないなぁと思いました。
70年代の設定とはいえ、メイクだけはもう少し若々しく現代風にしてもよかったのでは?
老け顔メイクも、しわやしみをペンで書いているだけで、かえって若くみえたくらい。
カツラをかぶっている設定なら、2人で散歩するシーンも本当にカツラをかぶるべき。
細かいところにもっと拘ってくれないと、感動も薄れてしまうような気がします。
せっかく綺麗な女優さんを使っているのに、もったいないです。
アンフェア the answer DVDプレミアム・エディション
私はドラマ版「アンフェア」のファンでしたが、SP1で雲行きが怪しくなり、
それに続く「劇場版1(the movie)」の あまり出来の悪さに落胆した人間です。
本作の直前に北乃きい主演の「ダブルミーニング 二重定義」が放送されましたが、
ほとんど本編に絡まない内容であったため、地デジ録画だけで済ませました。
この最終作「アンフェア the answer」はネット上での酷評がすさまじかったので
まったく期待せずに劇場へと足を運びましたが、単にドラマのイメージと異なって
いるというだけの話で、劇場版1より遥かに完成度の高い仕上がりとなっていました。
また香川照之さんも少ない出番ながら、非常に重要なシーンを熱演されていますし、
監督の佐藤嗣麻子さんによる女性視点でのストーリー描写が目立つ作品です。
プロテクトドングルの謎を打破する香川照之氏のIT技術力が神レベルだったり、
予告編インパクト画用に殺される無関係な女性がいたりと違和感もある作品ですが、
そういった欠点を補って余りあるほど、最後に悪党をギャフンと言わせた後、
「○○、馬鹿かお前は…」と吐き捨て→夫婦の絆を見せ→テーマ曲→タイトル→
怒涛の伏線回収しまくり映像群→中島美嘉「Love is Ecstasy」で決めるという
素晴らしい演出が最高に格好良く、有終の美を飾っていると思います。
映画「シックスセンス」のように、1回目より2回目の方が楽しめる映画であり、
実際の国家機密が入ったUSBメモリの行方を考えるだけで面白い傑作邦画です。