Collection
彼女のベスト盤は多々あるが、どれも似たり寄ったりの選曲で、曲数で選ぶしかない状態。その点、このベスト版は、基本的なヒット曲はすべて押さえつつ、他に収録されてないUK盤ならではの収録曲が多数。
「Wishing and hoping」「Tempted」はイギリスでのヒット曲のカバー。「Seven bridges road」は渋いバラード。「Walk on in」はキャロル・キングとジェリー・ゴフィンの作品だが、リタらしい温かみにあふれた絶品のナンバー。この1曲だけでもこの盤を買う価値があり。だって20曲収録なのにCDシングルより安いし。惜しむらくは「Love me again」が収録されていないこと。「Don't cry out loud」も収録してほしかったな。この曲のスタジオレコーディングは未だにCD化されていない・・・日本ですごく人気のある曲なのに・・・この2曲の欠落は痛い・・・というわけで、☆4つ。
あなたしか見えない~グレイテスト・ヒッツ
カバー曲も多く含んだR.クーリッジのベスト・アルバム。カバー曲であっても彼女特有の優しさで表現し、聴く者の心を癒してくれる。
代表曲と言って良い「I'd Rather Leave While I'm In Love」は日本でもヒットした。同じく代表曲の「Don't Cry Out Loud」は「悲しみは心に秘めて」と言う邦題でやはり日本でもヒットしたが、その後M.マンチェスターがカバーし、「あなたしか見えない」と言う邦題でヒットさせ、以後邦題はそちらが使われているようだ。M.マンチェスターの抑揚に富んだ劇的な歌唱も素晴らしいが、R.クーリッジの優しく包み込む歌唱もまた素敵である。B.スキャッグスの「We Are All Alone」を初めとして、「One Fine Day」、「Bye Bye Love」,「Higher And Higher」等のカバー曲も、リタらしい歌唱で温かい雰囲気を醸し出している。アレンジや選曲など、スタッフの力も大きいだろう。特に、「We Are All Alone」は、本曲のカバーとしては屈指の出来だろう。
都会派サウンドとは一味違う素朴で温かみのある歌唱で、聴く者の心を癒してくれる好アルバム。