おねだりチェリー (メガストアコミックス)
カバー絵ではイマイチわからなかったので、試し買いしてみました。
個人的にはわりと好みの絵柄ですが、度を越した爆乳は、好き嫌いが別れるところではあると思います。
全ての女の子が爆乳なのに、パイズリが無いのももったいないです。
しかし、絵は非常に丁寧で上手く、局部も結構リアルに描かれています。
特に結合シーンはしつこくて、ドエロ!と言いたいです。
ストーリーも基本ラブラブで、安心して見られます。
これだけの作品を描ける作家さんが、あまり有名でないのは不思議です。
やはり独特のキャラデザか?
単に遅筆な方なのか?
個人的に爆乳は好きではないので★4ですが、Hシーンはかなりネチッこくてエロい!
実用性の高い作品だと思います。
オススメです!
櫻守 (新潮文庫)
一介の植木職人の一生涯を淡々とつづった、一見地味なこの小説。モデルとされた有名な笹部氏は、主人公の心の師匠として脇役に回っており、全編のクライマックスかと思われたあの「荘川桜」の移植の話でさえ、実にそっけなくつづられている。しかし、なぜか不思議な余韻を残し、いつまでも忘れ難い作品。
あまりに忘れ難いので、先日読み直してみて、驚いた。どの行間をとってみても、詩的、かつ力強い情感で溢れんばかりに満たされている。これほどまでに作者の熱意が傾注された作品であったかと、今更ながらに気付いた。
それでいて作品全体のもつ、このえも言われぬ品格、この美しさ。
世代を超えて、いまも花を咲かせ、生き続けるあの櫻、この櫻。自然の静かな息吹が明滅する中で、それぞれが宿命を背負った、人の生涯の妙、はかなく移ろいゆく世の在り様、そうしたもののお互いの交錯、交感の中から、消えてしまうもの、残りゆくものが見事に浮き彫りにされている。まるでシンフォニーである。
古来、日本人は、人間は、このようにして生き、死んできた。
その群像は、生き迷ういまの私達にとってとても貴重な何かを示しており、その啓示は新鮮でさえある。
「弟子」の結婚にあたり、「師匠」は新婦に次のような言葉を贈る。虫が苦手だった、自身の亡き妻を回想しながら。
・・・虫がいてこそ、鳥が住みます。鳥が住むからこそ、花や果が育ちます。花や果が育つと、山は美しい。・・(本文より抜粋)
荘川桜はもとより、登場人物たちが愛し、丹精こめた各地の桜は、武田尾でも、岡本でも、海津でも、・・今も美しく咲き誇っている。
なお、誇り高きある宮大工を主人公に据えた、併録の「凩(こがらし)」も秀作。いつまでも手元に置いておきたい一冊。