大平面の小さな罪 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)
まずはこの作品を復刊してくれたエンターブレインに感謝!
人間界のあらゆる平面を管理する「平面管理委員会」。文字、絵画、写真など、この世界の全ての平面は彼らによって管理、調整されているのです。主人公は奔放すぎるその性格ゆえにある事件を起こし、委員会を追放された行動局員セーナと、事件を通じて知り合った(恋人の?)広告マンの宇田川。ふたりはセーナの身分回復のため、平面とそれを管理する局員にまつわる犯罪の解決役を引き受けることに。いくつもの犯罪を解決するふたり。しかし、一連の事件を通じて彼らは大きな陰謀に巻き込まれることに―――
大胆なアイデア、魅力的なキャラクター、巧みなストーリー展開。知的でありながら、その頭の良さが小難しさや嫌味になっていないスマートな雰囲気がこの作者、岡崎二郎ならではなのです。あえて言うならば、かつての藤子・F・不二雄の正統後継者というべきでしょうか。どきついインパクトに頼らず、知的洗練をもって読者に読ませるその作風は、漫画の正統なあり方と言うべきでしょう。
奇想に満ちた本格のSF漫画です。その洗練されたセンス・オブ・ワンダーは時代の経過など問題にしません。もしあなたが漫画が好きというならば是非読まなければならない一冊です。漫画を読むということが知的体験であるという本来のあり方を見失わないためにも。
宇宙家族ノベヤマ 2 (ビッグコミックス)
もっと、『ビーグル号』的にいろいろな異星人と会って欲しかったけど、まとめ方は見事。
ちょろちょろ加筆されているんだけど、特に最終話は30ページ以上の加筆で倍増。
ラフクフラクフラによる神の“力”の平和、クササキリサの策謀、戦争まで一触即発の宇宙など、雑誌掲載時よりも深みを増しています。
また、ラストページも加筆で、ベタだけど、SFらしくていいなぁ。
まるまる動物記(1) (アフタヌーンKC)
岡崎二郎の作品はずっと読んでいるが、これは科学そのものが題材にした初めて作品だと思う。そのためか、ストーリーを読む喜びが少なくなっていると思う。
比べて申し訳ないが、同じく、科学自体を題材にした作品にあさりよしとお氏のまんがサイエンスやHALがあり、あれはあれで笑える科学としてよく出来ている。が、この作品、未完成というか、巻末解説部というか、う〜ん。
読んでいてつまらないとは思わないが、アフター0など、数々の作品で見せてくれた、人間が切磋琢磨する科学ストーリー漫画のほうが、エンターテインメントとして完成度がはるかに高く、楽しかった。
同氏にはそれなりに書きたいものがあるのだろうが、できれば時の添乗員やアフター0ネオの続きを書いてくれた方が読者としてはありがたい。
独特お味のある完成された画風、分かりやすい構成は相変わらず。まだまだすごい作品を書いてくれると期待しています。
TVエイジャー テレビ世代のためのコレクターズアイテム
■このCDに収録されたデイヴ平尾(元ゴールデン・カップス)の「一人」は、大変貴重な音源である。「傷だらけの天使」の最終回(「祭りの後にさすらいの日々を」)で2回、ラスト2回目(「虫けらどもに寂しい春を」)で1回流れたファン感涙の挿入歌が、この平尾ヴォーカル・ヴァージョンなのである。
■かつて「傷だらけの天使」のサウンドトラック盤に「一人」が収録されたことはあるが、それは井上堯之ヴォーカル版だった。従ってこのCDは、非常に貴重なものなのである。当CDは残念ながら発売後すぐ廃盤になってしまったが、デイヴ平尾の名演「一人」は、日本の重要な文化遺産なのであるから、どんな形でも良いからCDとして常時流通しておいて欲しいと強く私は訴えたい。