ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD]
開始数分で世界が崩壊してしまう「ドーンオブザデッド」とは異なり、本作でのそれは非常にゆっくり、静かにやって来ます。なので、始まって暫くは駄目男の惨めな日常がダラダラと展開されるので気の短い方は飽きてしまうかもしれません。しかし、どこにでもある「日常生活」が徐々に侵されていく怖さ、絶望的な状況に放り出された「普通の人達」の哀れさ、滑稽さ等どこか身につまされる感覚は秀逸です。ダッシュしないゾンビ(笑)は一人、二人なら「あれ、どうにかなっちゃうかも?」と思わせますが、集団で来て、じりじり追い詰められるとやっぱり怖いなぁ……。
Expecting to Fly
オアシスの名作モーニンググローリーをトップから蹴落としてデビュー作にしていきなりチャート1位を獲得した超話題作だったのですが・・・今となっては誰も覚えてないし、中古屋で激安でたたき売られている作品となっています・・・。何なんでしょうね、これだけの実績があるのに歴史に残ってなさの凄さは。ブリットポップという括りでもあまり名前があがってこないが、作品的には冒頭から地味ながらグイグイと引き込んでいく職人肌のいかにも英国人受けしそうな渋いブリっトポップサウンド。日本人受けはあまりしない典型タイプだが、丁寧に作り込んである作品と言えよう。ただ、全体としてはやはり地味であり、モーニンググローリーを蹴落とした・・という先入観がマイナスに働く可能性も高い。どんな凄い作品なんだ・・・・やはりモーニンググローリーには遠く及びません。まあバンドとしてはオアシスフォロワーというよりシャーラタンズやオーシャンカラーシーンフォロワーと言える。
New Athens
約4年ぶり、ブルートーンズの6枚目のオリジナル・アルバム。アレンジや曲調の面である程度共通するトーンがあった今までのアルバムに比べると、今回のアルバムは作りこんで統一感を出すようなことを「あえてしていない」作風になっていると思います。
というのも、ブルトンらしいポップな曲はもちろん、二行しかない逆説的な歌詞を延々繰り返す実験的な曲あり、2ndアルバムや「Marblehead Johnson」に通じる哀愁味溢れるメロディあり、前作からの流れを汲む内省的でアコースティックな曲ありと、これまでで最もバラエティに富んだ曲が集まっているからです。
それでもあえてこのアルバムの特徴を挙げるなら、初期のような繊細なプレイから、『Luxembourg』以降を思わせる力強く華麗なギターソロまで、アダムのギターがかなり目立っていること。その一方で、久々にキーボード奏者を起用していることも見逃せません。それほど前面に出ているわけでもないのですが、曲を引き立てる良い演奏をしていて、今回のアルバムの多彩さの一因にもなっています。
いうなれば今回のアルバムは、中年男性が妻に対して裸体をさらしているアルバムジャケットが象徴しているように、現在のナマのブルートーンズを、そのままファンに提示したアルバムといえます。それを見つめる妻(=ファン)はとりわけ興奮しているわけでもないのですが、どこか嬉しそうな顔をしている気がするのです。
Science & Nature
なんというかブルトンはバンド名、曲名、唄い口、音の構成、
バンドが出す空気そのものの雰囲気がとても好きです。
前作収録の「4-DAY WEEKEND」と「if...」の醸し出す
タイトな格好良さに惹かれてこのバンドに興味を持ったのですが、
今作においてもこのふわふわ漂うような魅力は健在で嬉しかったです。
やはり自分も7の「オートフィリア」がビビッときました。
先行シングルだった8もイントロの雰囲気優しすぎます、ううう。
彼らってサビとか音も勿論良いと思うんですが
なによりとりわけイントロが優れてると思うんですよ(笑)
聴きたくなってしまうというかAメロから自然勝負できるというか…
とりあえず4thも早いところ買わないと…(苦笑)
リターン・トゥ・ザ・ラスト・チャンス・サルーン
これは2ndですが、1stよりも音が多少ごつくなっています。グルーヴィーなベースも若干強調されており、低音が心地良いです。しかし基本的にはポップで、マンチェスターっぽいグルーヴと湿った良質のメロディが楽しめます。