パーフェクト・ストレンジャー [DVD]
有能だが不運にもスクープを権力でつぶされた女性記者の友人が殺人事件の被害者となる。大企業の名がキーワードとなり、記者は真相解明に乗り出す。最後は友人さえも疑わしくなるなかで、犯人と動機が明らかになる、というサスペンス映画。
このようなジャンルの映画が多数ある中で、斬新さを出すためには脚本が凝ってなくてはならない。そういった意味で、『ほう、なるほど』いう結末に、自分は十分に楽しめた作品である。また、配役のバランスも悪くないように感じた。他の方が述べているように、『絶対騙される』というコピーを聞いてしまうと、登場人物がそろった時点で、いかにも犯人らしくない人物が2-3人にしぼられるので、だいたいその中に犯人がいるだろうと推測できてしまう。で、実際にその中にいるのだが、全体の整合性もとれているので映画としての完成度は高いと思う。犯人が分かってしまったとしても、トリックまでばれてしまうような伏線は途中にはほとんどないので、(まぐれで)当たったからといって本作品の価値が下がるとも思えない。現実に、他の人物が犯人だったとしてストーリーをシミュレーションしてみると、意外と矛盾なく話を作ることもできるが、本作品の結末と比較して勝っているとは言いがたい。
映画を評価する場合に注意すべきは、コピーと作品内容の解離については強く問うべきではない。コピーは制作会社ではなく、日本の配給会社が作っているのだから、それを映画そのものの批判にするのは的外れなように感じる。もちろん、本コピーは先入観によって作品の面白さを半減させていることには違いないが、批判されるべきは配給会社のセンスのなさだと思う。自分は前情報なしに本作品を見たので、値段以上に楽しめた。星4つの評価。
ザ・パーフェクト・ストレンジャ
ザッパが高校時代に現代作曲家のヴァレーズに夢中だったのは有名なエピソードだが、実際、彼の様々なアルバムには現代音楽(もしくはそのパロディ)的アプローチの曲が多数含まれている。そして、ザッパが書く器楽曲のメロディとジャンル不問の前衛精神というのはヴァレーズやアイヴスから直系のもの、すなわちアメリカのクラシック/現代音楽の歴史においては保守本流的なものを強く感じさせるのも事実である。そういう意味では良くも悪くも「ヨーロッパ的前衛」の継承/体現者として、時にアメリカの作曲家について厳しい評価を口にするブーレーズがザッパを取り上げるというのは、意外だと同時に首肯させられるセンセーショナルな事件だったはずだ。なお、本盤制作発表の前年(83年)にはケント・ナガノ指揮による「London Symphony Orchestra Vol. I」が発表されており、80年代半ばはクラシック/現代音楽の世界でのザッパ評価を印象付けるエポックとなった。(本作はビルボードのクラシック・チャートで最高位7位を獲得。)だが、残念ながらその後、クラシック側からのザッパ評価というのは低調となってしまい、今日に至っている。本盤がザッパ名義で発売されていることも、もしかしたらこのような事情と無関係ではないのかもしれないが、それ故にブーレーズ・ファンの間でも本作はマイナーな一枚となっている。
ブーレーズから委嘱された1曲目の他、2・4曲目がブーレーズ指揮によるアンサンブル・アンテルコンタンポランの演奏で1984年1月10日から11日にかけてパリのIRCAMで録音された音源だが、残りの曲は実はザッパによるシンクラヴィアの演奏である。(本盤のプロデューサーはザッパ名義。)ブーレーズの料理した3曲は彼らしいクリアでキチっとした正統的現代音楽に仕上がっており、適度な緊張感が心地よい。一方、シンクラヴィア作品の方は当時最新の電子楽器をザッパがいじくり倒して遊んでいるような奔放さと素朴さが感じられるが、やはりブレーズ参加の曲と並べると仕上がりの完成度が各段に違うので、星は一つ削った。(これは、名手達が集うアンサンブル・アンテルコンタンポランとチープなシンクラヴィアの差も大きい。)
他のザッパ作品のような混沌としたパワーを求めるリスナーは肩透かしを食らう確率が高いが、クラシック/現代音楽家としてのザッパの一面に興味のある方には巨匠ブーレーズが参加しているだけに必聴の作品だろう。
パーフェクト・ストレンジャー [DVD]
女の人を殺した犯人より驚く所があります?
ラスト7分11秒…あなたは必ず騙されるより中盤の方が騙されます?
僕はそこで騙されました…
ブルースウィルスの中ではハズレかも?さらにブルースウィルスの必要性が感じられなかった…
パーフェクト・ストレンジャー [Blu-ray]
ラストまで真犯人は絶対にわからない。
サスペンスは良く見ますが
これは良く出来たストーリーです。
主役ハル・ベリーの名演技が良かった。
内田康夫のような多重殺人で超身近な人物だと思いきや・・・・
ラストは意外に意外な犯人だった「推定無罪」を彷彿させます。
でもこれはラストで目撃者がいたのでシリーズで続きそうなラストですね。