007 ロシアより愛をこめて アルティメット・エディション [DVD]
言わずもがなの、シリーズ屈指のジェームズ・ボンド映画。飽くまでイアン・フレミングの原作のテイストを生かし、イスタンブールからヴェニスへと疾走するオリエント急行を主舞台に、正統なスパイ・アクションの醍醐味に、薫り高いムードが加わっての115分。今日でも、最も人気の高い007映画と呼ばれるに相応しい傑作、私も既に、"SPECIAL EDITION"版を所有しているが、他のレビュアーの方の意見と同感だ。初出しの特典Diskの中では、フレミング&レイモンド・チャンドラーによる対談というのがある。チャンドラーは、59年没、フレミングが、シリーズ第1作の「カジノ・ロワイヤル」を発表したのが53年だから、この対談はチャンドラーの晩年に行われたものと推察できるが、アメリカのハード・ボイルドの巨匠が、イギリスの気鋭のスパイ小説家と何を語り合っているのか、気になる処。そして、何と言っても、ダニエラ・ビアンキ!。準ミス・ユニヴァースとして映画界入り、あの有名な、ボンドとの最初の出逢いであるホテルでの情事での、歴代ボンド・ガール最高の美貌と、首に巻かれたリボンのみの一糸まとわぬ肢体の、その濃厚な媚態ぶり、そして、演技未熟からくるベット・シーンのぎこちなさと恥じらいは、12歳の時、TV放映された今作を観て以来、"我が映画体験、最初の絶世の美人"として、彼女を記憶し続ける者にとっては、それだけで、更に高画質でチェックしてみたいと思ってしまう。