一条さゆり 濡れた欲情 [DVD]
一条さゆりの引退や逮捕をドキュメンタリーっぽく裏に流しつつ
伊佐山ひろ子(こっちが主役)のストーリーを絡めていくという
変わった作りの映画
途中まではありがちな感じで
ストリッパー伊佐山ひろ子がヒモとゴタゴタもめながら
話が進んでいく
このあたり見てる間は
期待し過ぎたかなぁー?
高い評価を受けているのは
一条さゆりが映像で残っているという価値なのかな?
とか思っていたら
一条さゆりの引退ショーから逮捕そしてラストへの下りが
なんかよくわからんけど急に面白くなって
なんとなく高評価なわけがわかった気がした
一条さゆりがこの映画と
「真説エロティック・ゴースト・ストーリー/覇王ウーチュンの逆襲」
ぐらいしか出てないのは
演技ができなかったからかも
と少し思った
海と川の匂い (真夜中BOOKS)
日活ロマンポルノ時代に活躍をした女優・伊佐山ひろ子の
なんと14年ぶりの著作(小説)です。
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ドアを開けるとつきあたりにベランダに面したタタミの部屋があって、
電話に出るためにベッドから立ち上がると
足をつたってドドドって生理の血が流れた。
タタミの縁に埋まった血液は何度こすり取っても茶色のシミが取れなかった。
(1-1-19より)
意識的に、もしくは無意識に挿入されるこのような文章は、
一瞬で映像が瞼の裏に浮かび、同時にその場に漂う匂いまでもを感じさせ、
エロスの予感が怪しげに漂う、ある時代感(具体的には70年代)を持った世界に読者を引きずりこむ。
このように官能的で、時代の匂いを色濃く感じさせながら、
全体のトーンとしてはむしろ静謐ともいえる雰囲気を湛える文章は、
現在の作家が書く小説群の中でも圧倒的に突出した才能である。
とにもかくにも一読の必要があるのは間違いない。
昭和
前に何かの雑誌でアラーキーがこの写真集を褒めていたのを見て、自分が大好きなアラーキーが褒めるんだったら、まずハズレはないでしょうって、これを買いました。結果はもちろん大当たり!アラーキーが褒めた意味もよくわかりました。この写真集には匂いがあるんです。昭和の匂い、そしてモデルの伊佐山ひろ子の肌の匂いが。アラーキーのファンの人はたぶんこの写真集も好きになるんじゃないでしょうか。
手紙の文章教室
注文のきっかけは別役実著の本を探していてそのつもりで注文しました。届いた本を見ましたらその他大勢の作家さんらの内の一人と分かってちょっとがっかりでした。読んでみると著名作家の先生方も手紙の書き方にはそれぞれ迷いやらいろいろなお考えがあることを知り、あらたまった手紙文を書かねばならない時の憂鬱な気分は私だけのものではないと知り一安心しました。だからと言ってこれからは気分一新、面目躍如の手紙文が書けるかというとそうではありませんが。