ストレイト・ストーリー リストア版 [Blu-ray]
主演のR・ファーンズワースは、若い頃はジョン・ウェインやヘンリー・フォンダの
スタントマンだった。「暴力シーンや汚い言葉がひとつもない」ということが、この
作品への出演の条件だった。地のままで演じられたと記者会見で自らが語っている。
あえて監督名を伏せて、このスローでスローな直球ロードムービーは誰の作品か?
とクイズをだしても、「イレーザーヘッド」「エレファント・マン」「ツイン・ピークス」の
あのデヴィット・リンチ監督だと答えられる人は少ないであろう。
「幸福の黄色いハンカチ」同様ちょっとしたエピソードを織り交ぜながら、一直線に
ラストに向かう。最後の台詞もストレートかつシンプル。R・ファーンズワース自身
一番好きな場面という「家族とは折れない小枝の束」というのは日米同じ逸話だね。
ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判 (映画秘宝COLLECTION (20))
爆笑しつつためになる、文部省推薦(ウソ)の良書。「千と千尋」はソープで女の子が客を取らされる話だ! ハリウッド一のスケコマシはXXだ! たまにうっかり吹き出して、周りから変な人に思われるのが欠点だけれど、いやー、すっきり。映画を見て、ウルウル感動したい人とか、「映画鑑賞」なんかしちゃう人とか、映画は芸術だっ! とか思いこんでるタコな人にはおすすめしないけど、「映画なんてありがたがるほどのもんかぁ?」と思ってるあなたには絶対おすすめ。さらに両者の映画(および周辺ゴシップ)の知識は正確無比。勉強になります。
the straight story ストレイト・ストーリー
高校生のとき、図書室で借りて読みました。
村上龍氏が文章を書いていたんですね・・イメージでは無かったので少し驚きました。
絵本のような感覚でさらさらと読めると思います。
主人公のおじいさんが旅をする話なのですが、印象的だったのは旅の途中で家出した少女(恋人絡みだったような気がします)と会うシーンで、おじいさんは彼女と一緒に食べ物を食べたり少しずつ話をするんです。
少女は結局家に戻るのですがそのときの少女の別れの挨拶が曇っていた空が晴れたような、気持ちのいいものでした。
物語は淡々と綴られます。
きっと5年、10年経っても覚えていると思います。
ストレイト・ストーリー リストア版 [DVD]
頑固爺さんが兄弟と再会するまでの実にゆっくりとしたロードムービー。 どこかコミカルでまた重たい。 なんか良いんですよ(笑)言葉で表現出来ない良さがこの作品にはあります。
ストレイトストーリー コレクターズ・エディション [DVD]
アメリカお得意のロード・ムービー、、、ではあるのだか、この映画はちょっと様子が違う。移動ツールはなんと時速8kmのトラクター、ここにこの映画のコンセプトが集約されている。
驚いたことに監督は、な、なんとデビッド・リンチ。「揺れる魔球」投手の彼が、今回は「ストレート」で真っ向勝負する。
ともすれば偏屈で自分の世界に閉じこもり勝ちな老人、そんな一人の老人が、10年前に仲違いをして以来会っていない兄に会いに行く。視力が落ちて自動車の運転ができない、でも自分の力で病気の兄の見舞いに行きたい。そんな状況が老人をトラクターの運転に駆り立てる。意固地な老人の話と言ってしまえばそれまでなのだが、彼の行動はそんな思いを吹き飛ばすほどにひたむきだ。
500km余りの行く手を阻むかのように待ちかまえる苦難の数々。道すがら出会う人々や彼の娘のエピソードなどを交えながら、時速8kmで物語は進む。果たして兄はまだ生きているのか、無事に兄のもとにたどり着き和解することができるのか、、、。
今までスタントマンとしてくらいしか、ほとんど映画出演の経験がないというリチャート・ファンズワース(当時80歳、すでに故人)がストレイト老人を淡々と、しかし熱演。特典映像ではリンチ監督やこの老優の味わい深いインタビューが見られる。この老人にしてこの演技、映画の成功が単なるフロックでないことが良く分かる。
見終わった後、世の中に根っからの悪人などいないような幸せな気持ちにさせてくれるのも、彼の穏やかな内面性によるものなのだろう。
思い出をつくる時間さえままならないあなた、フッと一息いれて老人と一緒に旅しゆったりとした時間の流れに身を任せてみよう。そんな時間の流れが教えてくれるもの、思い起こさせてくれるものは沢山ある。
閉ざされた人工的な都市空間の中で、昼夜の別、四季の移ろいなど、時間への感性を失いつつある私たちは、ライトアップされた明るい夜空の中に星を見出し、その美しさを味わうことができない。
星空の下で、兄と語り合いたい、、、。スローライフ老人が語る「星空」は、そんな現代に向けられたものかも知れない。