エマージェンシー!
69年発表の1st。マイルス・デイヴィス・クインテッドで名を上げたトニー・ウィリアムスが立ち上げたグループ、ライフタイムのデビュー作が本作。発売当初はアナログで2枚組だったものを一枚に収めている。メンバーはトニー(dr)、ジョン・マクラフリン(g)、ラリー・ヤング(org) の3人であり、いわゆる第一基ライフタイムと言われる布陣である。本作はベースレスというのが特徴だが、それを全く感じさせないどっしりとした音を聞かせている。2nd以降はベーシストが参加するが、初代のベーシストは元クリームのジャック・ブルースだった。
1.はジョンのリードからかハードなジャズそのものを感じさせるが、中盤からのオルガンの陰鬱な雰囲気は当時のサイケ/プログレに強い影響を与えていることは間違いないだろう。2.もサイケっぽいジャズ・ロック・・・というよりもサイケ・ロック的なニュアンスが強いが、それらと同様にかなり実験色が強い。3.もプログレ/サイケよりのジャズ・ロック。即効的演奏の要素が強く、クリムゾンのジャズ的部分の手本とも言える演奏と言えるだろう。6.はラリーのオルガンが延々とソロをとる曲だが、嫌が応にもEL&Pを思い出してしまうだろう。
全体的にはフリーの要素が強いが、演奏そのものはかなりハード。フュージョン的な洗練された雰囲気はなく、どこまでも無骨で力強い演奏を聞かせている。サイケ/プログレ的な要素をたくみに取り入れており、時にのんびりとしたヴォーカル曲も聞かせるなど全く予想の付かない作品だが、それだけにおもしろいと思う。
Spring
いやあ何だったんでしょう九十八年の紙ジャケRVGってのは(笑)全然、音のクオリティが違うんだね、一皮どころかって感じです。各楽器のタッチ、細かなニュアンス表現がハッキリ解る、凄いねぇ!最新録音と全然変わらんね。有り難いですよね。それにしてもマイルス抜きのコンボのベースが変わって、マイルスが解雇したサックス吹き入れて作った作品だよね?マイルス信者の方々って聴いてるんですかね?これとか「処女航海」とか(笑)ワタシは馬鹿馬鹿しくてマイルスファン辞めちゃいましたね。それくらい聴いて強烈なるショックに打ちのめされた作品です。才能豊かな人ほど早世するね、惜しいくらいじゃ済まないよね。(とほほの助)
フューシャ・スイング・ソング+4
サム・リヴァースの41歳での初リーダー作品。
彼は「Miles In Tokyo」でマイルス・バンドにテナーで参加した人物で、
オーソドックスな4ビートものもありフリーに傾倒していく前夜の作品だが、
彼の吹くテナーが調性紙一重のところでワイルドな感じでフリーにフリーキーに
ソロを展開していくところなどはもうその予兆を現している。
彼の特徴は独特なスウィング感と音色、絶妙なタイミングで
矢継ぎ早に人懐っこいフレーズを繰り出すとこだろう。
リズム隊もロン、トニーという最高の2人にジャッキー・バイヤードという組み合わせで、ジャッキーの硬い感じのピアノもアルバムの空気にはまっている
アンド・ザ・クール・サウンズ
スタン・ゲッツの世界を知るのにこのCDはおすすめ。1953年から55年にかけて収録された、いわゆる「west coast Jazz」あるいは「cool Jazz」というのがどういうものかがよく分かる。スィング感とリラックス感が入り交じりながら、あっという間にゲッツの世界へ誘われます。要注意なのは、このCDの最初の4曲は「West Coast Jazz」に収録されているものと同じだということ。
セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン
【対象】国内初Single-Layer-Sacd (SIGP14,発売日:2002/02/06)
【概要】革新的でスリリングなNYグループ(#2,4,6)と、保守的で味わい深いLAグループ(#1,3,5)の、2つのセッションからなる1963年録音作品。Miles Davis(tp), Ron Carter(b), George Coleman(ts-#2,4,6), Herbie Hancock(p-#2,4,6), Victor Feldman(p-#1,3,5), Tony Williams(ds-#2,4,6), Frank Butler(ds-#1,3,5)。
【音質】Sacdの特性が余す事なく押し出した、色付けのないストレートな音。倍音が乗った輝かしいMilesのミュート、切れの良いHancockのピアノ、Ron Carter(b)の弦を弾く音、シャープでダイナミックなTony Williamsのドラミングなど、実に気持ち良い。
【参考】高域・低域を抑え気味の「Apo製Hybrid盤(2010年発売)」よりも、ダイレクトな質感の本品(Sony製Sacd)の方がお勧め。